あーうーおー

今日は一日唸りっぱなしだ。さしもの私の現実逃避力も、底が見えてきたよ。
ウチの会社はパーテイションでひとりひとり隔てられている。仕事の内容が各部署の連係プレイより、ひとりでデータをシコシコ積み上げていくパターンが多いので、馬車馬のように周りが見えない方が気が散らないくて効率がいいわけだ。
しかし見えないというのは気にならなくなるということで、実際はすぐそこに人がいるんだが夢中になってくるとその存在をつい失念しまう。
それでどうなるかって、パソコンに向かって我知らずブツブツぼやきはじめるのだ。ひとりでああでもないこうでもない‥‥不気味である。
だけどそれは私だけじゃない。忙しくなって煮詰まってくると、パーテイションの向こうからひとりごとにしてはデカイが明らかに誰かに話しかけているのではない声や、常軌を逸した音量と音程の鼻歌が聞こえてくるのは、別に珍しいことではない。徹夜ともなると、カーニバルのような陽気さが漂う。
にぎやかで楽しい事務所である。しかし、各々の話がかみあっているわけではないし、決して和やかな雰囲気でもない。