いつか来た道

自分の中での周りの人間に対する評価がどこかおかしくなっているのにふと気がつく。
ちょっとしたことなのだけど、妙に言動に苛々したり、妙に尊敬の念が目減りしていたり。そんなに優位に立ちたいのか、自分。少しでも否定されると躍起になって回復しようとする心理が暴走する。
余裕がなくなってるんだな。気がたってピリピリしてるんだろう。
そう考えると、ここ一年くらいずっと苛々していたような気がする。自宅にいても何故か安らげず、苛つくから家に帰りたくないと思っていた。
身近な人間をスケープゴートにしたのだろうな。犠牲になった人間にとっては、勝手に振り回されて堪ったもんじゃなかっただろうが。
人を攻撃しないで済むように、ひとりの空間を確保したかったのかもしれない。他人を責めればそれはそのまま自分に返ってくるのに、目の前に人がいたら無条件で責めてしまい、やっぱりそのまま自分に返ってきてまた消耗する。鎖を断ち切り何にも煩わされず疲れを回復する機会が欲しかった。
それも一日二日の短期間ではなくて、半年一年くらいのスパンで繭に入ってしまいたい。
それが最終的な望みだったけれど、決裂する以外にそれを叶える力もなかったと。それだけのことだ。


人には限界があり、荷重をかけ続ければいつか折れる。キレイゴトだけでやっていけるならそれに越したことはないが、個人の能力によっては原則論に収めきれないこともある。私は心理学者でも講和の達人でも催眠術師でもない。他人を意のままに操る技術を欲しているわけでもない。奴隷や下僕が欲しいとも思わない。私はあなたの夢のために生きているわけではない。
もう頑張りたくない。何事につけ変革を迫られるのなら、いまなら手放すほうを選ぶ。
大丈夫、このままゆっくり過ごしていけばまだ頑張れると思ったけど、結局ちょっとした圧力であっさり折れてしまった。これ以上は無理。撤退。