高尾山・山頂ビアマウント

実をいうといままでビアガーデンというものに行ったことがなかった。アルコールが飲める年齢になってもう少しで20年である。どこかしら行こうという話は毎年出るし、なんだかんだ声をかけあったりもするのだが、何故か実現しない。2年前にも高尾山のビアマウントに行こうという話があったのだが、紆余曲折のすえ、結局ぽしゃった。そして今年こそ行こう、7月の連休に決行するぞと意気込んでいたにもかかわらず、なんと今度は急な仕事が入って休日出勤となり、あえなく頓挫したのだった。
こうなりゃ意地である。なんとしてでも行ってやる。ひとりででも行ったろうじゃないか。しかしここまでくるとなんの因縁なのだろう。前世でなにかあったんだろうか。そんな疑問が心に兆してくる。当初こそビアガーデンのみが目的だったが、いっぺんお参りでもしたほうがいいんじゃなかろうかと弱気になってくる。そうだ、高尾山に登ったらまずは土地に縁のある役小角に挨拶に参ろう。昨今の体調不良もあって心弱くなったせいだろうが、そんな殊勝な心持ちで挑んだ今回、やっと目的を達成したのである。
JRと京急を乗り継いで高尾山口に辿り着くと迎えてくれる石碑。ここから山に入るんである。

が、自分の足では登りきれないので、行きはリフトに乗る。

ひゃっほう。


山上駅からぶらぶら歩くと茶屋があり、そこから少し登ったところに仏舎利塔がある。
高尾山も一大観光地なのでけっこうな人出だったのだが、ここは人影もまばらで黒い大きなアゲハチョウが何頭もひよひよと飛んでいたのが幻想的であった。

薬王院本堂。ここでチャリンとお賽銭を投げて手を合わせ、いにしえの陰陽師にご挨拶した。そばを位の高そうなお坊さんがほら貝の先導で行き来していたが、さすがにそのお姿にカメラを向けるのは憚られたのであった。

こういうお堂は裏側のほうが風情があって好きだ。

更に登って山頂へ。暑さと登りの道程でへろへろになってベンチで一休みしているとナナフシがいた。カメラを持って追っかけまわしたら、前肢を振り上げて威嚇された。

戻りは吊り橋のあるルートを通りたかったのだが、倒木のため通行止めということで、別の山の中を横切るルートを下ることに。細い獣道のような自然観察路で、虫やら蛇やらいろんな生き物が身近に見られるスポットであった。

うろうろと山の中を歩いてすっかりくたびれ果てた頃、やっと山上駅そばの展望台に辿り着いた。ビールだ、ビール!

暑かったのでスモッグがかかっていたのか、遠くの東京の街は霞んで見えた。

帰りはケーブルカーに乗って麓まで運んでもらった。

高尾山は遠かったし山登りは正直辛かったが、やりきった達成感でいっぱいである。おれはやったぜ! 念願のビアガーデンを制覇したぜ!


高尾山公式ホームページ