映画:アンストッパブル(監督:トニー・スコット)


引火性の有毒物質を満載した超重量級貨物列車が無人のまま暴走してさあ大変。しかも向かってる市街地には大カーブがあって、このままのスピードじゃ絶対脱線しちゃう。どうするどうやって止める?! というのがかいつまんだストーリーで、詳しく説明しようとしてもこれ以上いうことはないという、ネタバレもなにもない清々しくまっすぐな映画であった。こんなことをいうと単純で退屈な映画のようだが、なかなかどうしてハラハラドキドキのパニックムービーなのであった。
まず機関車がかっこいい。下からあおるように撮られた無骨な車体は、風雨に汚れ表面こそ錆が浮いていても、却って質実剛健な力強さに充ちている。鉄の塊という言葉がこれほどしっくりくるものもそう多くない。そんな怪物が貨物を積んだ車両を39両も牽引して、時速100km以上のスピードで爆走するのである。
列車を止めるべく、ちっぽけな人間がせせこましい様々な仕掛けを線路に施すのを嘲笑うように、圧倒的な重量とパワーでぶっちぎっていく。単純明快、実に爽快である。
しかし同じトニー・スコット監督とデンゼル・ワシントンの組み合わせで去年『サブウェイ123 激突』を観ているけども、今度は貨物車である。どっちかが鉄ヲタなのかと。クリス・パインもやんちゃな感じが正しいイケメン俳優の系譜でなかなか好いな。