棚卸し

次々と工作しすぎてオーバーヒートしたのか、夏の暑さか風邪のせいか、突然スコンとやる気が底を打った。仕事だけは行ってるけども、もうなんもしたくなーい考えたくなーい、だらだら。なんだかカメラを持って鮮やかな色の写真を撮りに行きたいような気分が続いている。
生け花をしていた頃に思ったが、鮮やかな色も物理法則に沿った配置も曲線も、繊細さも力強さもエロチックさも、天然自然の造形には何をもってしても敵わない。メタリックなトンボの色、光の透けるレースのような豆蔦、ぼわんと浮かぶ蓮の花。水、緑、花、虫。花鳥風月とはよく言ったもので、すべての要素がそこに詰まっている。風景と馴染んだ建築物もいいものだ。
そんなものを目にするだけで幸せでもあり、どうしても手の届かない境地に焦がれる不幸でもある。上どころか虚空の彼方に目を凝らしても仕方ないので、動かない無様な手をじっと見る。
憧れだけが人生さ。うつむいてそこに落ちてる小石を蹴る。できることは地道に続けることだけなんだけどね。