シリコンスチーマー

前から気にはなっていたシリコンスチーマーをとうとう買ってみた。野菜も蒸し料理も好きとくら、使わない手はないという感じだったのだが、皿にラップをかけてチンするのとどう違うのか今ひとつ納得できなかったので様子を見ていたのである。それにわりとお高いし。どこまでも貧乏性である。
電子レンジだけで調理すると、どうしても加熱ムラが気になって美味しく出来ない。じゃがいも一個をふかすのだって、途中でひっくり返しても片側の水分が飛んでガビガビになってしまいがちなので、鍋で煮たほうが手っ取り早くなってしまう。電子レンジは可能性は秘めているのに力を発揮できない不器用な子のようなのであった。でもこの容器で加熱ムラが改善できるならいいんじゃないの。

CHARLES VIANCIN PARIS シリコンスチーマー エスカルゴ L オレンジパンプキン CVJ202L/OP

CHARLES VIANCIN PARIS シリコンスチーマー エスカルゴ L オレンジパンプキン CVJ202L/OP

お店に行ったらちょうどプラチナを練りこんだという白いのが新発売だったので、それのエスカルゴ(L)を購入。
使ってみたら、確かにガビガビにならない。それでいて真ん中へんもちゃんと火が(電磁波だけど)通ってる。おお、簡単なようでちょっとした違いだけども、これは素晴らしい。
愚考するにまず、電子レンジの特性からいって、少し底が上がっていたほうが電磁波がまんべんなく行き渡りやすいはずである。

私が買ったシリコンスチーマーはちょっと底が厚くなって渦巻状の溝が入っているので、茶碗の糸きりよりは底が高くなっているようだ。
そして蓋の形状が丸く盛り上がっていると、蒸気による熱の対流が隅々まで行き渡りやすいはずだ。理屈では。

使ってみた感じの印象では、スチーマーというだけあって電磁波の反射効率よりもスチーム力が優れているから加熱ムラが少なくなるように思える。底も角が丸くなっているのが一役買っているのかもしれん。蒸気が回っているので、部分的に水分が飛びすぎてガビガビにもなりにくいのかもしれない。
陶器やセラミックではレンジで加熱すると容器まで熱くなってラップを外すにも火傷に注意しないといけないのが使い勝手の良くないところなのだけど、シリコンだと温かくはなっても素手で触れる温度なので、そこんところのひと手間が省けるのが地味に便利だ。熱で柔らかくなるのが要注意なのと、オーブンで使うとさすがに熱くなるけどね。
電子レンジは時間数を指定してかけるので、鍋のように焦がす心配はほぼない。そりゃかけすぎたら炭化するけど、いまさらそういう失敗はないと思いたい。
そしてこのまま食卓へだしてもさほど違和感がないから、調理から盛り付けまでひとつの容器で済んで洗い物が減る。しかもたわしも使わずスポンジひとつでぜんぶ終了。しつこいようだが、こういうのが地味だけど便利なのだ。
こりゃいいや。先日、小さい鍋がひとつ壊れたのだが、鍋を買い足す代わりにこっちにして正解だったかもしれない。毎日こればっかり使ってしまいそうだ。
いままで料理というと煮立った鍋にまな板から食材を放り込んだりフライパンを煽ったり調味料を振りかけたりと、いうなれば火の周りで調理の舞を踊っていた。それがシリコンスチーマーだと火も使わずお湯も沸かさず器に向かって棒立ちのまま、ちまちまと材料を調合してレンジに放り込んでチン! で済んでしまうので、なんだか未来の生活をしているような気分になる。そのうちメニューを選ぶと箱から出来上がった料理が出てくるってのも夢じゃないんじゃないかと思えてくるよ。