復興ファンド

さて、給料日である。
震災から10ヶ月、福島も収束の目処が立たないし、被災地は活動が緩慢になる一番厳しい季節に突入している。いつまで震災後が続くのだろう。地道な活動にも息切れしてきたのか変に馴れてダレてきたのか、ここにきて風に吹かれるタンポポの種のように関東大地震の予知の噂が乱れ飛び、なんだかこうなったらまかり間違って起きてしまえ、もう全部爆発してしまえ! と破滅への期待がじわじわ高まっている気がしてならない。かくいう私もなんとなく自宅用の買い置きを少し足しておいたのだった。前に買ったものが消費期限を過ぎて以来の懸案だったし、地震はいつ来てもおかしくないんだし備えはないよりはあったほうがいいんだしね、不急のものはその気になったときが買い時よ‥‥などと自分に言い訳しながら、周りの空気に影響されて妙にそわそわしているのだった。
そんな与太は与太として、復興は現実である。特に中小・零細企業、個人事業主にとっては、これ以上ないくらいシビアな現実だ。商売をしていれば震災前からの借り入れがまったくのゼロなんてことは、ほぼあり得ないのが実情だろう。店舗や設備などローンを組んで購入していたものが全部流されて、もう一度最初から始めるとするとまた設備投資が必要なので2重ローンを組むことを余儀なくされることになる。イチから出直しどころか、マイナスからのスタートとなってしまうのだ。
そこで商売を応援しようという復興ファンドがあちこちから発売され始めた。ファンドというのは「基金」という意味で、運営基金を投資し売上げが上がればリターンが受け取れるというものだ。


ミュージックセキュリテというところは、もともとは音楽関係の活動を応援する小口の投資基金を運営していたのだが、震災後、このシステムを使えば被災地の商売を支援できるということで被災地応援ファンドの窓口を開設したのだそうな。
・ミュージックセキュリテ《被災地応援ファンド


『災害支援のプロフェッショナル』と謳うCIVIC FORCEでも、復興支援事業を立ち上げている。
・CIVIC FORCE《復興支援事業


GBFundは、企業メセナ協議会が立ち上げた芸術・文化による復興支援ファンドだ。有形無形の文化財の保護に絞って力を入れている。
GBFund (ジービーファンド、G:芸術、B:文化、F:復興/ファンド)


他にも岩手銀行野村證券など探してみるといくつか復興基金を開設しているところがあるようだ。
支援する側にとっては寄付と違って行き先がはっきり見える、どのように使われて役立っているのかどうかが判るのがいいらしい。運営資金を援助できたらリターンなんかなくてもいいくらいの気持ちだけど、小口で応援できるしこういうのも面白いかもしれない。
ただし、復興支援目的といえどあくまで金融商品なので必ず自分で調べて納得してから購入していただきたいと思う。