皿が足りない

この1年弱の間に食器が次々と破損した。
しかもどれも同じような壊れ方をしていて、薄くヒビが入ったなと思ったら何度か使用しているうちにみるみる亀裂が広がり、少し力を入れるとミシッと音がするようになる。土鍋(大)も同じようにヒビ入っていて、少し水漏れするのかコンロにかけているとときどきジジッと火が跳ねている。
陶器の表面に薄くヒビが入るのはよくあることで、亀裂が貫通していなければ使用には問題ない。最初はそんなものか、いやあねぇ、と眺めていたのだが、いまにもまっぷたつに裂けてしまいそうになっては危なくて破棄せざるを得ない。そんなパターンで続けざまにかれこれ6、7枚ほど捨てた。もともと食器の数が多くないのと、何故か大きめの平皿ばかりが駄目になるのでちょっと不便なくらい数が減ってきた。
それにしても皿が次々壊れていくのはどんなオカルトなのかと訝しんでいたのだが、よく考えたらもしかしてこれは地震の余波なのだろうか。
去年の震災で、うちは幸いにも一枚も食器は割れなかった。食器棚に使っているチェストの扉がよく衝撃に耐えて開かなかったのもあるし、棚自体も動いたものの倒れはしなかった。
だけど棚の中で食器は揺さぶられていたのだな。重ねられた皿が互いにガチャガチャとぶつかり合い、その場で割れはしなかったものの、ダメージを受けていたのだと思うとしっくりくる。大きな平皿が衝撃に弱いというのも頷ける。
ふむ、と納得したところで、皿数が足りないと不便だという事実は変わらないのだった。カレー皿にいたっては全滅である。ここは少し足しておかねばならんな。揃いだった食器もハンパに1枚だけ残ったりしているので、どうせなら色も形も全部違う食器にしてみようか。一部は割れない漆器にしておくのもいいかもしれない。
物はいつか壊れる。せっかくなので色とりどりに気に入ったものを誂えてみよう。