8年越しとオススメ本

土曜日は鳩山会館へ行ってきた。それというのもid:KEN_NAITOさんと顔合わせというかいい加減にお茶ぐらいしませんかという話があって、ついでといってはナンだけども前からちょっと見てみたかったのでちゃっかり付き合わせたのである。
内藤さんとはこのブログを始めたばかりの頃にお互いの記事に反応したのが始まりである。たぶん。もう記憶の彼方だが。そのままずーっとコメントしあうでもなく実際に会うわけでもなく、しかしなんとなーくお互いの日記を読んでいるというつかず離れずのお付き合いであった。その間に私は社長が夜逃げしたのを機に転職して仙台から横浜へ引越しをし、彼は‥‥えーと、最初はアメリカにいたんだっけ? アメリカでポスドクしてたり帰国して研究してたりまたアメリカに行ったりしてる間に最愛の奥様と巡り合いご結婚されたりNatureに論文が掲載されたりまた帰国してつくばに居ついたり、いろいろありつつ実に8年ものお付き合いになるらしい。(内藤さん調べ)そんなこんなで物理的に距離が近くなったので一度ご挨拶してみようかという次第だったのだが、急に顔を合わせることになって少々照れくさいのもあり、またそんな優秀な方と直接喋って間が持たなかったらどうしようぎゃー! という危惧から、姑息に鳩山会館の見学を提案したのだった。とはいえ、熱い男なのは判ってたので、本当はお寒いことになる心配はあまりしていなかったのだけど。
長くなったので鳩山会館の写真は明日にしよう。鳩山氏が蝶マニアなので蝶が集まるような庭を造っているという噂はガセだったらしく、庭園も一通り回ったものの鯉と数匹のトンボと大量の蚊と、数体の銅像しかいなかった。バラがあちこちに植わっていたので花の季節には蝶も飛んでいるのかもしれない。
あまりの暑さに近くのコーヒーショップに避難し、そのままああでもないこうでもないと3時間くらい喋り続けてこの日はお開きになったのだった。そして帰り際に薦められたのがこの本である。

性欲の科学 なぜ男は「素人」に興奮し、女は「男同士」に萌えるのか

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帰り足で本屋に寄って買ったけど、どうなの、この表紙は。インターネット上のポルノサイトやロマンス小説ファンジンなどの膨大な数の語句から抽出したデータを使ったタイトル通りの真面目な中身なのだけど、ぶっちゃけ素材が下世話な話ではあるし、ザクザク読めるので1日で読みきってしまった。男女の差なんて実感としてなんとなく判ってはいるのだけど、ゲイが実は男の中の男なんじゃないかという考察をはじめ細かいところなどは思い違いを訂正される部分もあり、しかもそれがいままでの経験と合わせるとカチリとパズルのピースがはまる気がするのが面白かった。遺伝子を調べてみると人類の歴史を通して女性が子孫を残せた率は80%くらいだけど、男性は40%程度しか自分の子どもを作れなかったというのは、盲点だったなー。自分は両親から生まれてその家庭で育っているので、「それが普通」で子どもを持たないのはちょっとイレギュラーなほうなのかも、という刷り込みがあった(だから子無しはダメという意味ではない)のだけど、言われてみればそんなもんなのかもしれない。若年の死亡率を考慮したとしても、武士階級でも相続できない次男三男は部屋住みだったりしたわけだしね。昔だって誰もが結婚できたわけじゃなく、結婚すればもれなく子どもが生まれたわけでもないんだよな。