歩くようになって切実に軽い鞄が欲しくなった。ついでにリュックにして背負うことが出来れば尚好い。しかし公共の乗り物に乗るときなどは背嚢は邪魔になるので肩掛けがいい。などと都合のよい妄想を膨らませること数ヶ月、やっとこ重い腰を上げて鞄を制作したのであった。
コンセプトはリュックにもなる斜めがけ鞄。通勤時間がすなわちウォーキングなので、通勤用バッグでもある。となると制作の条件は、
- 斜めがけ/リュックの2way
- 弁当といつも持ち歩いている小物一式が入ること
- カジュアルすぎないこと
- 重量が軽いこと
- 出来ればA4が折らずに入ると便利
最初に2wayにするという自分で自分の首を絞めるハードルを設けてしまったので、取り合いをどうするか悩む。最後の最後まで考えていたが、自作できる範囲のものというとどうしても技法は限られるので、多少の難点には目を瞑ることにしたのだった。
材料は厚地のシャークスキン生地と薄手の合皮、ベルトは迷った末に結局レザー専門店で30mm幅のサドルレザーを2.5mm厚に梳いてもらった。あとは金具とファスナーなど小物を必要なだけ。
次に作業する前に金具を通販で取り寄せた時の箱の隙間に詰まっていた紙を広げ、思いつくまま手順を書き出してみる。チラシ裏ならぬ梱包材書きである。今回もあるねぇ。
それからやおら型紙を元に接着芯を切り出し、生地に貼り付けながらパーツに分ける。
ひと通り切り出したら外側と内袋部分に分け、実際にパーツを配置する形に並べて確認する。うん、ぜんぶ揃ってるね。これを部分ごとに分けて束にし、失くさないように洗濯ばさみでまとめながら作業を進めるのだった。