伊東温泉(後編):雪のちらつく大室山

公園をあとにすると路線バス乗り場まで戻り、すぐ近くの大室山へ。

大室山は噴火口跡のある休火山で、きれいなお椀を伏せたような形をしている。山全体がカヤで覆われていて、年に一度、山焼きと称して全山を焼くのだそうな。それで木が生えてないのね。

リフトに乗って上まで行ける。しかしこのへんから雪が舞い始めて冷えてきた。

斜面途中のカヤの様子を見ると、いい具合に冬枯れしていてよく燃えそうだ。手前はリフト周りの刈ってある部分。

天辺に着くとこんな風景が広がっている。雪がちらついてて寒い。

しつこいようだが雲から雪が落ちている様子がお判りだろうか。吹きっさらしで寒いのである。それでもせっかくなので火口の周りをぐるっと1周した。写真中央の稜線の上にケシ粒のように写っているのが向かい側の縁を歩いている人である。その手前のほうに見えているのはアーチェリー場になっている火口の底。

とにかく寒かったので1周したら即座にリフトに乗ってほうほうの態で退散することに。下を見ると斜面がきつくて転げ落ちそうだ。


それからまた路線バスに乗って伊東駅に戻り、帰りの指定席を取ったら、時間までお土産を見たり温かいコーヒーで暖をとったりして、伊東旅行も終盤である。

ギリギリで席を取ったのに、還りは何故かスーパービュー踊り子号の先頭の席であった。もっとも日が落ちてしまったので暗くてあんまりスーパーなビューというわけにもいかない。そうでなくともたっぷり遊んで疲れてたし、1本目のトンネルを鑑賞したあとは寝てたから景色が見えようが見えまいがあんまり関係なかった。むしろ窓が大きいだけに忍び寄る冷気も凄くて、それに閉口したくらい。互いの需要と供給が合致しない不幸な取り合わせであった。


後日、自宅用に買い込んだふぐ・えび・かますの干物を焼いて旅の思い出に浸ったのだった。

どれも美味しかったのだが、特に海老は味が濃縮されて噛めば噛むほど味が染み出してきて堪らん。
最後の最後までたっぷり堪能した今回の遊山なのだった。