破綻

とうとう風邪を引いた。夏からずっと気力で持たせてきたのだが、体力が底をついたらしい。頭痛いよぅ、だるいよぅ、つらいよぅ、と訴えていたら、熊に「風邪薬のんだら?」とあっさり言われ、はたと膝を打ったのだった。その手があったか。追い詰められて心身耗弱状態になると、当たり前のことにも思い至らなくなるものである。そうして自宅にあった置き薬のパブロンをのんで寝たら、次の朝にはいままでの身体中ミシミシいうわ頭痛は酷いわ漬物石を2〜3個ぶら下げたような体調はなんだったのかというほどすっきり目が覚めたのだった。風邪薬って効くのねぇ。ここしばらく膝の上の筋肉が痛かったのも改善したのだが、あれもいわゆる節々の痛みというヤツだったのか。
こりゃいいやと風邪薬をドーピングして現場に行き1日もたせたのだが、また次の日にはお風邪薬様をもってしても抑えきれない眩暈に襲われて通勤途中の路上で立ち往生してしまった。仕方ないのでその場で上長に連絡を取り、各種業者に電話し、代打に指名された同僚に1日分の引継ぎをしてから、コンビニで栄養ドリンクとアイスを買ってとぼとぼ来た道を引き返したのだった。役所と設計事務所と施主との打ち合わせは昨日やってるから問題なし。今日は間に合うように作業してもらうだけでいいはず。なんかあったら電話がくるだろ。うむ。
おそらくだけど上長は私がいつ倒れるか様子見していたような気配はあって、ここまで踏ん張ったのがむしろ予想外だったくらいなんだろう。電話したらふたつ返事で「よし判った、あとは手配するからゆっくり休め」という反応であった。そうはいってもこれからしばらく休めるわけではなくて、また明日からあと正味1ヶ月は諸事情から私が現場を回すのが一番面倒が少ないはずである。
もうちょっと。あとちょっと。
だけど全部忘れて今日は寝よう。