映画:キック・アス/ジャスティス・フォーエバー(監督:ジェフ・ワドロウ)

衝撃の内容と居心地の悪さと相反する暴力性の快感とで傑作だった前作に比べると、どうしても毒気が抜けた感が否めない。
前のはそこらの少年がマンガみたいなヒーローになりたいと夢を抱き実行してしまうなんてキャッチーでバカバカしい仮定の裏に、狂信とは何か教育とはどういうことかという重たいテーマを孕んだ鬼作であったのだよね。ガチのヒーローってつまりキチガイだよねというのを見せられて、でも主人公はガキなので見たものを判断できず惑い魅せられ引きずられて狂言まわしになっているのが面白かったのだ。そういうキレキレの奇跡のバランスで成り立っていた話に続編を作るということ自体がどだい無理があったんじゃないかなー。というのが正直な感想である。
ヒーロー集団v.s.ヒール集団のぶつかり合いは、バカバカしいビジュアルに笑えたけども、なんだか鉄砲が発明される前の戦みたいだったね。