伊豆シャボ参り(中篇)

引き続き虹の広場から。スイカ対決の次はとうもろこし祭と盛り沢山である。

実にかぶりつく赤カピ。まだ生後2週間なので柔らかいところしか食べられないが、一丁前に目が真剣である。

あっ。頭上越しににんじん母さんが乱入し芯ごと噛み砕く。

あああ〜。割り箸ごと持ってかれそうになるが、霊長類のプライドにかけてそれは渡せない。まけるもんかと赤カピも鞘部分に齧り付いている。

あああ‥‥。容赦なく鞘部分も攻め立てるにんじん母さんと、諦めて床にこぼれた実を拾うことにした赤カピ。授乳中のせいか、にんじん母さんの食欲が旺盛である。しょうがない。
ところでカピバラは穏やかで混合飼育に向いていると思われているが、ここでは隣接するアルパカとは仲が悪いらしい。

メンチを切りあうケビンとアルパカ。やんのか、ゴルァ。ところで雨に打たれたアルパカが何か違う動物のようである。

立ち上がり闘う姿勢を見せるケビン。アルパカは威嚇で唾をスプレーするので、こういうときは近づいてはならないお約束である。

唾をかけられても一歩も引かないケビン。

勝った‥‥と思っているかどうかは知らないが、群れのボスとしての貫禄が背中から滲み出ている。いつもぬーんとしているイメージのカピバラだが、こんな精悍な一面もあるのだった。
赤カピはまだ生まれたばかりなのでふれあいエリアに出るのは限られた時間だけである。先にお客の入れないエリアに収容され、表からなかなか戻ってこないにんじん母さんを青草を食べながら待つ赤カピたち。

かあさん、もどってこないね。うん。そのうちもどってくるよ。