伊豆シャボ参り(後篇)


がんも(カピバラの名前)とキントキ母さんたちがいる露天風呂のある放飼場では、じっと雨宿りしていた。来園したときに既に妊娠していたキントキさんと合流したオスのがんも。いってみれば母子と継父である。微妙な距離感がある。
ここで雨脚が激しくなってきたので屋根のある場所へ避難したら、俄かに周りが騒がしくなってリスザルたちも雨宿りにやってきた。

ちょっと吃驚した。園内でリスザルが放し飼いになっているのは知っていたけども、見たのは初めてかもしれない。屋根の下をちょこまかと走り回ったあと、自分たちの小屋へ戻っていったようだ。雨だとこんなこともあるんだなぁ。

ちょっと遅いお昼はカピバラカレー。見た目が可愛いだけでなく、よく煮込まれた豚肉がごろっと入っていて美味しかった。
船にも乗ったのだけど、雨が強くなってきて写真を撮るどころではなかった。途中でリスザルの島で餌やりができるのだが、雨が強くてひまわりの種では小屋から全然出てきてくれないということで、急遽「虫は平気ですか」と聞かれ生きたミルワームを手渡されて試したところ、秒殺であった。ホレホレと小分けにしてやると腕やら肩やらどんどん乗ってきてリスザル乱舞状態になる。しかしやはり猿は賢いのか、飛び移られてもタッチが柔らかくてまったく痛くなかったのが印象的だった。

雨が小止みになったタイミングを狙って池のほとりにできた3兄弟のエリアを覗いてみると、退屈そうに雨を避けて屋根の下に固まっていた。

おやつ箱を開けた音に反応してわらわらと集まってきた。

草!

ふん!

満足気な1頭と次に備える2頭。
取り合いしつつ元気に青草を食べて、ちょっと撫でさせてくれたらまた雨が降ってきたのでそそくさと帰っていった。

びしょぬれになったけど、雨の動物園も面白いものだ。終わり。