3月あたりに観た映画

SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁』(監督:ダグラス・マッキノン)


オチがアレだし、シリーズを見ていないと何が何だか判らないし、テレビ放送で良かったんじゃないか。とは思った。いままでのシリーズは見ているから私は良かったけど。しかし昨今のテレビドラマはとても進化していて、決して映画の劣化版には納まらない。ドラマはどんどん突き進んでいくし、キャラクターは映画のせいぜい2時間前後という制約を受けないのでもっとユニークで深みのある人間性を打ち出してくる。何話か続けて作られるという枠組みを最大限に生かした描き方をしているのだ。テレビドラマをそのまま映画に持ってきても上手くいかないと思う。

ヘイトフル・エイト』(監督:クエンティン・タランティーノ


長い。特にオープニングが。しかしリンカーンからの手紙が光るとか、随所に笑えるくだりが出てきて飽きない。緊張続きからの最後の血塗れでぐだぐだになる感じがなんともいえない。

マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』(監督:ジョン・マッデン


前作も映像は美しく希望と開放感にあふれた作品で好きだったのだけど、続編が作られたんだ、というのが最初の驚きである。そしてリチャード・ギアが年寄りでもいい男役以外の何者でもないのが次の驚きであった。老後をインドのホテルで共同生活と長期滞在の中間のような感じで過ごす人々の群像劇である。こういうのを観ると老後はあったかいところで悠々と暮らしたくなる。ところでお幾ら万円あったらこんな生活ができるのかしら。ちょっと本気で調べてみようかしら。

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(監督:ザック・スナイダー


バットマンも大概だが、スーパーマンがまるで鉛でできているかのような重量感であった。触ったらゴムみたいな感触がしそう。決闘の舞台となった都市の壊滅っぷりやら、エスカレートする暴力描写といい、もう『ヒーローもの』という筋立ては映像技術と描きたいものの足枷にしかならないんじゃないだろうか。潔くヒャッハー映画でも作ったらどうだろう。あと、あんだけ大騒ぎして最後がアレって凄い徒労感があると言ったら、同行の熊に怒られた。