生命の洗濯 徳島温泉旅行 (2日目後半)新祖谷温泉 ホテルかずら橋

2日目のお宿は温泉宿である。何故なら修羅場の間、温泉に行きたくてたまらなかったからである。なんなら1か月くらい湯治に行きたかったのだが、さすがにそうは問屋が卸さないので、せめて満足感の高い温泉に入りに行くことにした。そこで日本秘湯の会の会員でもあるホテルかずら橋さんに行ってきたのだった。高速道路を下りてから山道を小一時間くらい分け入った、四国のだいたい真ん中へんにある。

なにが凄いって、ここはケーブルカーに乗って入る露天風呂があるのだ。宿に自前のケーブルカー。冗談のような本当の話である。

下から見上げたところ。ケーブルカーを用意するだけあってけっこう急勾配かつ距離がある。

こんな風情のある乗り場から乗り込む。

中は木の内装。基本は立ち乗りだが、木のスツールがひとつ置いてあった。

上に登ると石畳に屋根のかかった渡り廊下のような通路があって、その周りに各種建物が配置されている。

通路のわきには小さな池に鯉が泳いでいた。

休憩所になっている家屋。

中を覗くと囲炉裏が切ってある。

障子を開くと濡れ縁が回っていた。

外は深い山々に雲がかかっていた。俗世を離れて仙人になったような気分になってくる。

山側を見ると溜池のようなものがある。

足湯もある。

足湯に浸かって眺めるお庭は広くはないが、背景の山が借景になっているので雄大さは申し分ない。

そして露天風呂からの景色である。本当はお風呂の中の撮影は宜しくないのだろうけど、ちょうど誰もいなくなったチャンスにマッパで撮った。誰が仙人だ。風呂の前に枝を伸ばした桜の花がいくつかほころんでいた。

ケーブルカーに乗らなくとも階段と遊歩道があって歩いて宿と風呂を行き来することができる。写真はさっきの溜池の下の方。苔むした石垣が回され、周りにはいろんな樹木が植えられていて季節ごとに花が咲くようだ。
いやぁ、いいお宿だった。山道を運転して行く価値はあった。食事も良かったし仲居さんもホテルの人も感じが良くて、浮世離れした温泉に浸かっているうちに、いくらマッサージに行っても良くならなかった肩の力がふっと抜けた。ストレス解消って大事ね。


新祖谷温泉 ホテルかずら橋

おまけ

近くにホテルの名前にもなっているかずら橋という吊り橋があるのだが、夜間はそこがライトアップされているのをホテルのバスで連れて行ってくれるオプションがあったので頼んだ。

茫洋と浮かび上がる吊り橋。

渡り口を撮ったらホラーのようだ。夜間は渡るのを禁止されているため鎖が張られているのが余計に廃墟感を増長させている。

そのちょっと奥にある琵琶の滝もライトアップされていた。平家落人が京の都をしのび、この滝で琵琶をかなで、つれづれを慰めあっていたことから名付けられたと言い伝えられているらしい。
そういえば途中の山道でなにか動物が出てきたと思ったら、野兎だった。あっという間に急斜面を駆け上がって山の中に消えていった。野兎は初めて見たなぁ。