ロシア料理レストラン ロゴスキー @銀座

今年の誕生日は現場だった。正確には現場の谷間で当日は休みではあったが、とてもではないがのんびりと食事を楽しめるような状況ではなかった。どうせなら懸案事項をクリアしてから楽しみたい。そのため祝いの席は1か月ほど伸ばして貰ったのである。年に一度の大盤振る舞い、今年はロシア料理である。

銀座に店を構えるロゴスキーさんは1951年創業の日本で一番最初のロシア料理専門店ということで、もともとは渋谷にて開店したのだそうな。

お品書き。さあいきますよ。

まずはシャンパンで乾杯。通称、皇帝のワインというらしい。わざとらしくないすっきりしたシャンパンなのだが、じわじわと美味い。そして前菜と合う。

1品目、6種類の前菜とサラダの盛り合わせ。豚肉のパテ、ニシンの酢漬け、サーモンとオリーブのサラダ、茸のレモンマリネ、ズワイガニのゼリー寄せ、真ん中はビーツとポテトのサラダ。どれも美味い。これだけで延々飲めそうだ。奥に見えるのが2品目のライ麦パン。これまた素朴な甘みが前菜と一緒に食べると引き立てあって美味い。

3品目、キャビアとブリヌイというパンケーキ。ちょい甘めのパンケーキにしょっぱいキャビアサワークリームと玉ねぎのみじん切りと西洋わさびを乗せて食べると得も言われぬハーモニーなのである。キャビアなんて他人の結婚式でしか食べたことないな。

このへんでシャンパンのボトルが空いたので赤ワインに切り替えた。私が赤ワインで貧血を起こすので、ちょっと軽めのを選んでもらった。

8000年て。さすが文明発祥の地からほど近い黒海のほとりというかなんというか、ここまでくるとマジかよと笑えてくる。

4品目、ストロガニーナ。凍った薄切り肉である。ドレッシングとネギと一緒に食べると肉なのに爽やかで美味い。

5品目、水餃子である。中身は鶏肉らしいのだが、旨味が濃い。

6品目、ウクライナボルシチボルシチというのは小麦粉を使ったこってりしたシチューなのかと思っていたら、さらっとした具沢山スープのようなものなのだな。冷たい料理の後なので、温かさがより引き立って美味い。

7品目のメインはアンガス牛のローストである。柔らかい赤身が文句なしに美味い。

8品目、ズワイガニのつぼ焼き。帽子のように器に被さっているパンを開けると、ほかほかのホワイトシチューが湯気を立てている。量が少ないようだが、中身がかなりこってりしたベシャメルなので、これでちょうどいいくらい。

9品目、本日のデザートはチーズケーキのアイス乗せ。綺麗にプレートを飾り付けてくれたよ。ありがとうありがとう。10品目は奥のロシア紅茶。イチゴのジャムが入っている。
今年もご馳走様でした。余は満足じゃ。
ロシアというと寒い地方なのでなんとなくもっと油っこくこってりしたものが多いのかと想像していたのだが、まったくもってすっきりと洗練された料理ばかりであった。それにしても凍った肉があるかと思えば餃子が出てきたりベシャメルがあったりで、ヨーロッパとアジアにまたがってユーラシア大陸の北側を占める広大なロシアだけのことはある。料理って面白いものだなぁ。

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