夏休みの顛末

今年の夏はお盆休みに現場終りの有給休暇を連結して大型連休だった。ちょうど夏前に3週間くらい休みなしに働いていたせいで会社から「有給を取得せよ」と通達があったので、有難く有効利用させてもらったのだ。今年はいいタイミングだったな。初日に5か月ぶりの美容院へ行き、白髪を染めて準備万端。次の日から仙台へ帰省したが、夜は飲み歩いて一度も家で夕食を食べなかった親不孝者である。帰省している間中、仙台は連続降雨日数更新中で毎日篠つく雨に降り込められた。今日で35日連続で雨模様、観測史上1位タイなのだそうな。東北の夏は短いのでここまで日照時間が少ないと米のとれない冷夏になってしまうな。
飲みに出る以外はほぼ家にいて母と四方山話をしていたのだが、その中で定番の「アンタは子供の頃こうだった」話を聞いていたら、自分で思った以上にアレな子だったことが判明したのだがまったく記憶になく、逆に「アンタ覚えてないの?!」と吃驚された。いやぁ、意識して逆らったり無視してたわけじゃなくて、本人的には基本プロトコルに沿ってるだけだから他と違ってるなんて思いもせず特筆すべきことではなかったんじゃないかねぇ、ははは。しかし薄々気づいていたことがガチだったと確定しただけで、いまさら何が変わるわけでもない。それに友人らに話したらどうやら意外でもなんでもなかったらしいので、たぶんハタから見たら初めからそんな人だったんだろう。知らぬは本人ばかりなり。しかし当の本人としては蒙を啓かれたというか目から鱗が落ちたというか、今まで引っかかってた細かいエピソードの数々の理由が急に判明したのが衝撃だった。あれよ、他人との関わりから自分の立ち位置というか他人から見た自分を類推しようとするんだけど、多少はそっち寄りかなーと思ってはいたもののまさかそこまで逸脱しているとは想定していなかったので、実際と自己認識に若干の齟齬があってなんとなく居心地が悪かったわけだ。その引っかかりがなくなって妙に肩の力が抜けた。そうかそんなに頑張らなくていいんだというようなすとんと腰の落ち着く据わりの良い気分。それに不惑を過ぎていまさら特性が判ったところで、既にそれなりに適応してまっとうな社会生活を営んでいるわけで、だからって何をどうすることもない。強いていえばこれからは大手を振ってますます好きに生きてくことにしようってくらいか。
そんな収穫を引っ提げて意気揚々と帰還してもやっぱり雨で、棚の材料を買いに行くはずが予定より1日多くごろごろする羽目になった。さすがに長い板材を傘をさして持って帰るのは厭だ。ブツブツいいながらゴロゴロ転がる合間に野菜を次々調理して冷蔵庫にみっちり詰めた。その翌日にやっと雨が上がり、嬉々としてホームセンターへ馳せ参じ、ああでもないこうでもないと頭をひねりつつひと通りの材料を揃えるのにうろうろしていたら、知らない間に2時間経っていた。そうして帰って作業して夜は缶ビールをあけつつ野菜を吸いこむように貪り食べてまたちょっと作業して少し本を読んで寝るという、実に心和む数日を過ごしたのだった。やっぱり好きなことを好きなようにやるのが幸せだよ。
連休の最後には一人で篭っているのにも飽きて、熊と千葉くんだりまで行ってみたり映画を観に行くのに付いて行ったりうろちょろして楽しんだのだった。今回の連休は天気は良くなかったけども、全体を通してみると心の満足度が高い良いペース配分だったな。