アメーバ、ぐにゃぐにゃになる

数年来、調子が悪くなるたびに通っている整体院がある。この度の労災事故の流れでアバラが痛いと訴えたら、初めてお灸というのをやってもらった。これが脇を棒状のイグサでぼうぼうと炙られるというもので、まるで呪術師にまじないをかけられてる絵面だなと内心可笑しくなったのだが、終わってみるとあら不思議、ガッチガチに緊張していた肋から力が抜けてふぅっと楽になった。ちょっと待って先生、これ全身にやって、と言ったら本当に本格的に鍼灸で全体的に診てもらうことになった。「治すよー、治すよー、身も心も治すよー」と先生は柔和な顔で笑っていた。

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マッサージなり整体なり、その手のところのどこに行っても全身硬いとにかく硬いと評され、苦しくないですか息できてませんよとまで言わしめる身体の持ち主である。もう力の抜き方が分からない。揉んでも摩っても一時しのぎで次の日には元通り。ストレッチしても伸びやしない。歩いても登っても代謝しないし負荷をかけても筋肉痛にすらなりやしない。根本的なところを治さなにゃいかんのだろうと薄々勘付いてはいたのだが、どこが悪くてどうしたらいいのかまでは門外漢にはお手上げである。医学的に異常があるわけでなし、いわゆる不定愁訴の困ったところだ。こういうのは東洋医学ならお得意だろうし、痛めた膝も治りかけにちょっと寒い中で作業したら痛みがぶり返したので治さなきゃしょうがないしで、一丁任せてみるかと鍼灸の予約を入れたのである。保険が利かないっていっても、マッサージ60分より安い。
予約当日に行ってみたら問診も何もなく、ハイ、あおむけに寝てー、電気かけるよー、ハイ、いくよー、とプスプスプスと痛めた膝を中心にあちこちに鍼を刺され更にお灸を据えられて電熱線であっためられて最後に揉まれた。もう何年も通ってるところなので何も言わずともどこが悪いか本人以上にいろいろ分かられてるらしい。東洋医学らしく内臓から治すということで、終わってみたらなんか乱れていた内臓が収まるところに収まったような感覚があった。なんか身体がここ最近なかったくらい滑らかに動く。いつものように夕食を摂ったらいつものように頭がぼんやりしない。ていうか、そこから調子悪かったのか。膝はまだ痛いし肩こりが全快したわけではないけども、なんかこうバラバラに動いていた各部の連携にピッと1本筋が通ったような。それでいて頭がほやほやで眠くてたまらない。内側から治すってこういうことか。
1度ですべてが済むわけではないので、何度か通うことになる。これで積年の不調が何とかなればいいなー。我慢強いというより鈍すぎて本人も知らんうちに溜め込んでいるタチなので、どんだけかかるかはやってみないと分からない。とりあえずいま、右肩の凝りの酷いところが何もしてないのにピリピリピクピクしている。