箱根温泉 乗り物旅行

現場が終わったので温泉に行ってきた。小涌谷にある岡田美術館で「若冲と一村」の企画展をやっているというので、一村好きとしては行かねばなるまい。というわけで今度は箱根である。ついでにベタな箱根観光をするつもりで箱根登山鉄道フリーチケットを買ったはいいがあんまり使えなくて元がとれたかどうか怪しい顛末となったのだった。

小田原からバスで箱根園へ行く予定であったが、小田原駅のバスプールで「大涌谷が大渋滞でいつ着くかわからない」という情報を得て、しかも下調べしていたバス路線が登山鉄道とは違う会社でフリーパスが使えないこともここにきて判明し、一発目から計画は頓挫したのだった。同行の熊と額を突き合わせて「どーするー?」と言っていたらそこにいた登山鉄道の観光案内の人が相談に乗ってくれて、元箱根まで直通バスの芦ノ湖ライナーで行ってそこからどうにかして箱根園へ行くことにした。芦ノ湖ライナーはフリーパス+500円。立派なマイクロバスなのに乗客はわれわれのみの貸切状態であった。

バスの車窓から芦ノ湖。どん曇りである。

雲が低く垂れこめた元箱根港に着いたらバスか船で箱根園へ行きたいのだが、どうもバスはうまいのが見つからない。んじゃフリーパスとは別会社だけど船だな。

どんよりした元箱根港

箱根港から見える鳥居は九頭龍神社かな。元箱根から徒歩15分くらいらしいが、今回は行かない。

ふたつめの乗り物、芦ノ湖遊覧船。

お船に乗って箱根園へ。

湖の上から行く先を眺めると、運休してるという情報だった駒ヶ岳ロープウェイが動いてる?!

妙なソ連味のある建物である。

じゃあ乗るか。

ロープウェイから芦ノ湖を臨む。

乗った。

駒ヶ岳山頂。年季の入った錆具合である。

ちょっと日が差してきた。山頂にあった神社に参拝して、振り返ると荒野がひろがっていた。

やっぱり東欧・ソ連ぽい。

曇りのせいかやたら味のある荒廃具合である。なんなのか。

ロープウェイで麓に降りたら意地になってフリーパスの使えるバスで元箱根に戻って、今度は海賊船である。

青いのはビクトリー号。

海賊船には3種類あるらしいが、我々が乗ったのはビクトリー号である。

ビクトリー箱根。

桃源台へ着いたら次は箱根ロープウェイ大涌谷へ。

地表からの蒸気と低い雲が交じり合う地獄の様相。

貸切状態だった最初のバスから遊覧船→駒ヶ岳ロープウェイ→バス→海賊船→箱根ロープウェイとだんだん混み具合が増してきて、大涌谷ではさすが観光地・箱根という人出であった。並んで黒たまごを買った。

噴煙上がる大涌谷の上空を通過。

また箱根ロープウェイに乗り早雲山駅でケーブルカーに乗り換える。

車内に天カセ4方向がついていた。

山の傾斜に対応する形で外から見ると車体が斜めで、内側は階段状に段差がついている。

ケーブルカーを公園上で降りて、この日はホテルマロウド箱根さんへ投宿したのだった。

テルマロウド箱根

気取らないのにとても洒落ていてごはんも美味しかったしいいお宿だった。建物がちょっと古いのが逆にヨーロッパの保養所のように落ち着いていて素敵だった。温泉は2回入ったけどお肌がつるつるになったよ。

次の朝に起きてひと風呂浴びたらザーザー降りだったが、この日の予定は美術館なので雨も風情があっていいわねぇなんて言っていたのだが、登山電車の小涌谷駅から岡田美術館まで徒歩15分とはいうものの結構な勾配の山道をひぃひぃ言いながら登ってずぶ濡れになった。

雨の美術館。

RC地上5階建ての岡田美術館は入り口のセキュリティがかなり厳重で、スマホは持ち込み禁止で備付けのコインロッカーに預けねばならず、持ち込む手荷物にはX線チェックまであった。凄いな。

情報量の多い庭園だな。

土地に高低差があるため、美術館を1階から入って5階の出口から出ると、裏側の庭園と同じ高さになっていた。こういうのは2階や3階ならよくあるが、5階て。しかも美術館だからそこそこ階高もあるだろうに、高低差何mよ。ほぼ崖じゃん。

帰る頃には雨もやみ、ふたたび小涌谷から登山電車に乗ってのんびりスイッチバックを楽しみながら箱根湯本まで。実のところ小田原~強羅ならバスがバンバン走っていてそっちのほうがよっぽど速いのだけど、1888年明治21年)開業の歴史ある鉄道なので乗りたかったのである。

文化遺産・出山の鉄橋。

箱根湯本からは普通の形の電車に乗り換えて小田原まで戻ったのだった。

記念に岡田美術館で若冲手拭いを購入。

月に叭々鳥図

一村の手軽なグッズって少ないんだよなぁ。好きなんだけどなぁ。あ、著作権が切れてないからか。