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自転車のロードレースで勝つまでの短い話で、全体的に派手さはないのだけど、自転車が奔っていくところでは絵が動くアニメならではの面白さがあって、自然の風景のメリハリも美しかった。ちょっとした、でも人生を考えさせるような人間模様もあるんだけども、抑制が利いててあっさり描かれているので、過剰に苦しいとか裏切られたとかトラウマだとかドロメロドラマチックにならないところがいい。泣きの演出じゃないから、逆に身につまされる感じというか。
クライマックスのもんのすんごい形相で自転車を漕ぐところでは思わず声を出して笑ってしまう。これはなんだろうな、可笑しいというのともちょっと違う。ふと私は受精卵がすごい勢いで細胞分裂していくところを連想したのだけど、運よく卵子と精子が出会ってちゃんと流れずに着床して、そんで分裂していくというのは、簡単そうだけど実はけっこう確率は低い。まず自転車のプロレーサーになるにはもちろん健康で体力がなければならず、レースに出るチームに雇われなくちゃならなくて、私には想像もつかないような苦しみに耐えて練習したりウェイトコントロールしたりして、そんで最後の最後で優勝争いに食い込まなきゃならなくて、それもチームで走るからいろいろセオリーがあって自分がそこを走れるとは限らない。ふんがー!! てな顔をして走れるなんて、実はとても稀有なことだ。
見ていて思わず笑いが出るのは、そういうことなのだ。スゴイね、頑張ってるね、でも変な顔!
そんなふうに面白かった。