読了:痴人の愛(谷崎潤一郎)

痴人の愛 (新潮文庫)

痴人の愛 (新潮文庫)

光源氏と若紫のはずが、養育した少女が天性の妖婦で、それに翻弄された男の告白、というかノロケ。
しかし、妻は浪費家でだらしなくて淫蕩だがすこぶるつきの美人で、自分は合資会社の社長、本牧の大きな洋館に住み、女中を数人使い、暇にまかせて遊蕩三昧というオチである。全然身を持ち崩してない。
そんないい女に騙されてみたい+それを養える自分、という男のファンタジーなんだろうなぁ。
そういや英語ができてどこに出しても恥ずかしくないレディーにするという当初の目標は、まあ、ちょっと予想外な部分はあるにせよ、なんとなく叶っているような。