矯正:顎固め(技じゃありません)

 また顎を固められました‥‥。
 歯についている金具に、ジグザグに輪ゴムを掛けます。ゴムなので完全に固まった状態ではありませんが、上下上下とゴムを掛けていくと、ほぼ伸びきった状態になるので、殆ど動かせません。
 食事時以外はずっとコレです。
 噛合っている状態で楽にしていればいいのですが、こう、何か余計なベクトルがあると、勝手に筋肉が反発するんです。
 人知れず力をいれて頑張っている自分に気がついて、意識的に脱力し、また知らず知らずギッチリ噛んでいる。
 で、困るのが、口元が動かないと、涎が垂れやすいんですよ。
 普段は意識していませんが、唾液って四六時中出ているものなんですね。
 何の気なしに唇をうまく開閉し舌を適切に動かすことで、口中を湿らせたり、かといって外に漏れないようにしたりしているようです。
 それがうまく連携できないと、あっ、しまったってことになるんです。
 私の場合は最初に手術があって、ま、多少垂らしても血だらけだったし、娑婆に出る頃にはそれなりに馴れて、ヤバイと思ったら上を向くとか、コツも掴めて恥ずかしい思いはあまりしなくて済みましたが。
 あとねぇ、矯正装置が入っていると、喋っているときに唾液が飛びやすい。
 舌がさ、そこまで廻らないのよ、金具を避けるのに精一杯で。
 唾液関係は厭だなぁ。汚らしくて、自分にガッカリする。
 痛いし食べるのも面倒だし、そろそろ気分的に限界だなぁ、早く外したいなぁ、と思っていたら、もうすぐです、と歯医者で言われましたよ。
 マジですか。外せますか。
 口内炎ともオサラバ出来ますか。


 元はと言えば、顎関節症の治療で手術をしたのですが、緊急を要さない疾患で、何故そこまで踏み切ったか。
 歯を四本(親不知を入れると八本)抜いて歯列矯正だけ、という道もあったのです。一応ね。
 関節は既に変形しているので、手術しても完治はしない*1。というか、まっさらな状態にはならない。
 そうね、今更膜を作ろうったって、そうもいかないわね‥‥じゃなくて。
 それでも手術を選んだのは、正しい形は美しいからです。
 健康保険が利いて(外科手術を受ければ利く)、大掛かりな整形が出来る。別人にはなれませんが。
 そりゃアナタ。心が動きますよ。正直ね。
 仕事も上手くいってなくて、オトコ関係もイマイチ。金はないが暇はあった。
 金? 何とかしましょう。三年で百万程度なら、軽自動車一台分ですよ。クルマ買わなきゃ良いんでしょ。
 てなわけで、思い切ってみたのです。
 実際やってみると、利かないと覚悟していた任意保険もキッチリおりたし(ブラボー!)、何とかなるもんです。
 しかしそれにしても長かった。
 綺麗になるのも大変だ。
 まだ終わりじゃないんですけど、矯正装置が外れるのは、いわゆるひとつの節目といって良いでしょう。
 その後もしばらくは、歯の裏側にワイヤーが一本ずつ入ったまんまなんですけどね。リテーナー(?)も装着しなきゃいけないんですけどね!
 それでもフックが取れるのは嬉しい。
 だって、唇に当たって痛いんだよぅ。

*1:それでも、現時点で一番根本的な改善が期待できる治療法であり、また一番再発し難い手段でもありました。念の為。