小さいストレス

 夜中に突然喋りだすのは、やっぱり止めて欲しいと思うわけですよ。
「チキショウ、好き勝手言いやがって、判っちゃいねぇ、バカだからな‥‥」
 って、いきなりなんなんですか。
 そんな自己チュー自意識カジョー棚の天辺か井戸の底で独りで大人しくしてろ的なボヤキで、浅い眠りを妨げられた私が不機嫌も露わに、
「ああ? なが」
 とヤンキーばりに「に」にアクセントを置いて聞いたところ、キミのことじゃないよ起しちゃってゴメン、ととってつけたように言われました。
 私の悪口じゃなくても、眠っていたはずなのにいつの間にか目を覚まして、丑三つ時に世の中を呪い始めるのは如何なものかと思いますよ。ええ、思いますとも。
 自分に酔っちゃってさ、なんなのよ、まったく。バカはお前だ、このコンコンチキ。
 という想いが唄になり、家事をしながら「コンコンチキーコンコンチキー」と小さい声で歌う私。少し気が晴れます。
 コレで犬猫がいれば、ちょっとは家の中の雰囲気が違うんだろうな。犬が飼える処に引っ越そうかしら。