構造計算ってさ、そういうもんじゃないと思うんだけど。

想像でものを言ってみようと思います。事実ではありません。
ヒューザーイーホームズの国会での質疑の映像を、ニュース番組で見ました。というか、家人がつけていたので、目に入った。私は自発的にテレビのスイッチを切ることはあっても、つけることは殆どありません。家人がいなければ、NHKのごたごたで厭になって、テレビを捨てていたでしょう。そんな私でも、あの質疑にはちょっと見入ってしまいました。
ヒューザー鈴木宗男イーホームズ:外務省。構図の類似を思ったのは私だけではないでしょう。漠然と、こりゃイーホームズヒューザーを潰したくなったんだとしても不思議はないな、と感じました。そんで同じ気分で、世論も味方になるんだろうな、と。
いかにもプライドが高そうでエリート型のイーホームズ社長が、下品で粗野で地方出身(暴言)で人を人とも思わない(あくまで想像です)典型的外弁慶なヒューザー氏と一緒に仕事したら‥‥やっぱりさ、案の定不正は行っているし、横車を押して無理を通す、しかもやり方が汚いとしたら、そりゃゴキブリを駆除するような気分で、叩き潰したくなるんじゃないか。ネタはいくらでもありそうだし。
自分の尺度でしか外の世界を判断できないと、私はハナから決め付けているので、こういうことを考える私はきっと心の汚い人間なのでしょう。
この世の凡ての事柄に精通している人がいたら、天才以外にあり得ない。だからそれぞれが分担して、その道を進み役割をこなして世界を支えているわけだ。増えすぎた人口を喰わせるためにも、お互いに依存しあって、つまらない仕事でも誰かがやっている、という状態にするのは都合がいい。互いの職能について、干渉してはいけないし、そもそも技術的に不可能でしょ。
鉄筋検査がどんなもので、構造的に何本入っていれば良いか、それを求める計算式や、ましてやその係数の根拠は何なのか、係数自体は妥当なのか、そういう関係の職業の人じゃなきゃ、判らなくて当然じゃないのか。私も当然判りません。
じゃ、どうやって判断するの? まさしく職能として、ヒューザーであり、その下請けの姉歯氏の役割だ。
ひとりにやらせるのは不安だよね、間違うかもしれないし誤魔化すかもしれない。じゃあチェックしましょ。それは誰がやる? 建前は国交省だけど、実際はイーホームズや日本EMIのような、民間に委託する。
でもさ、ひとつひとつ手で計算する時代じゃないのよ。パソコンでやれば楽じゃないかってことで、専用ソフトが開発される。国交省の認可を受けたソフトなら、厳しく審査しなくても計算間違いはないでしょ。ソフトの中身はブラックボックスだから、大多数の人には理解不能だし、不問に付す。
本来の使い方で機械を使っていれば、何の問題もないけど、もうちょっと儲けたかったヒューザーは、姉歯にごり押しした。姉歯姉歯で、尻馬に乗った。誤魔化すつもりで誤魔化しちゃえば判んないって。誰も細かいことは判ってないんだし。
職能が細分化されて、パソコンが普及して、こういうケースは何も今回の事例が特別なわけじゃないと思う。そりゃ建築業界は談合やら国交省やら黒い影が蠢いていて、旧態依然としたムラ社会・オトコ社会だけど、でもこの構図はどんな業界にだって当て嵌まるんじゃないか。
騙そうとする奴が悪い。
法律然り、貨幣制度然り、現代社会は信頼関係抜きでは、成り立たない。
ただ、世の中には悪い奴も必ず何パーセントかはいるわけで、約束事を破って個人の利益を追求したがったりする。あるいは、面倒くさいから守るべきところを守らなかったり。それを完全に排除することは、不可能でしょう。
極悪人は少なくとも小悪党は多く、逆に少しくらいスレたところがなければ生き難かったりもする。問題は不可能をどう管理するかってことじゃなかろうか。
そういうカオスはさ、どうすればいいのかな。活気の証拠でもあると思うし、潰すことは出来ない。突き詰めると、考え方の違う人間は、凡て排除しなくちゃならなくなりそうだし。
どんなに哲学的なことを頑張って考えても、毎日生きていく中で、機嫌の悪いときに八つ当たりしたり、手前味噌だったり、不条理を撒き散らす人間的な弱さを乗り越えるのとは別問題だよね。
そんな諸々を全部受け入れなくちゃ始まらない。
理想は遠く、我成り難し。人生ってなんてくだらないんだろう!


書くだけ書いて、ああ、スッキリした。