読了:「ライオンと魔女」(C.S.ルイス)

ライオンと魔女 スペシャルエディション ナルニア国ものがたり(1)

ライオンと魔女 スペシャルエディション ナルニア国ものがたり(1)

舞台は第一次大戦中のイギリス。田舎に疎開した四兄弟は、風変わりな老先生の屋敷に引き取られる。今で言えば文化財にもなろうかという、古く由緒ありげなお屋敷には、珍しいものがたくさんあった。
地味な始まり、子供が好きそうな幻獣が住む世界、基本通りの勧善懲悪。アリスほどひねりもなく、ハリーポッターほどエンターティメントに寄ってもいない。
ただ、再読してみて驚いたのが、子供の心情の描き方です。とてもこまやかで、兄弟のやり取りや幼いながら兄をライバル視する弟の気持ちが、厭味なく物語に取り込まれている。昔読んだときは判らなかったなぁ。
あと、ラストはご都合主義と捉えることもできるけど、確かこれは‥‥続編に生きてくる伏線だったような気がします‥‥うろ覚えですが‥‥子供たちは役割を果たしたのですよ。
蛇足ですが、このライオンさんは、さながらグインのようです。
途中まで続きを読むかどうか決めかねていたのですが、やはり読んでしまうでしょう。上手く借りられたら、ですが。