事の始まりは電気代

職場では昼休みは電灯を消すことになっている。
今までは適当に気がついた人が入り切りしていたのだが、唐突に社長が週番を決めて、電灯の点滅と郵便物を持ってくる役目を負わせることになった。
ちなみにウチの会社は、社員数三名+社長の零細企業である。
郵便は大体午前中に届いていることが多いので、昼休みに階下まで取りに行く。今までは外回りが多くて、一日に何度も出入りする社長が自らポストを確認していた。
多分、自分だけがそういう雑務をやっている気がして、損してる感があったんだろうな。だから分担させて、平等にやろうよ、と言いたいんだろう。
お茶汲みについては、社内では各自勝手に入れて飲み、客分はなんとなく女性が手分けして入れる。こういうとき、男は動かない。
電話も主に私が取る。何故か男性は取らない。そう決まっているわけではないし、そんなにシャチホコバって男尊女卑の雰囲気があるわけでもないけど、男は実際には動かない。
茶碗を洗うのも、便所掃除をするのも、男は絶対に手を出さない。
でも、ま、仕事の打合せは男性が行っている。ウチの会社はたまたまCADオペは女性で、設計技術者は男性だから、能力的に打合せできる人間が決まってくる。要するに個人の問題だということだ。
じゃあ、女性が技術者で外に打合せに行って仕事を取ってきたら、お茶汲みも洗い物も掃除もしなくていいのかというと、そうはいかないだろう。
そこらへんが、理不尽なのだ。
なにも雑務をしたくないわけではない。そんな駄々を捏ねるほど若くもないし、どうせ誰かがやらなきゃいけないことだもの、下っ端の私が自分の仕事の他にお茶汲みしても不都合はない。逆に誰がやっても問題ないと思うよ。
だからさ、週番を決めるなら、全部持ち回りにするくらいの覚悟は欲しかったよなぁ。ケツの穴が小さいったらありゃしない。
つか、ハナから半端な文句を垂れないで、下っ端で仕事ができない分、雑務を全部やれと言えばいいのに。いくじなし。