読了:サドルの上で考えた(疋田智)

サドルの上で考えた―自転車的なる精神の欠片

サドルの上で考えた―自転車的なる精神の欠片

一時、結構売れた本らしい。まったく知らなかったが。
自転車通勤の効能(半年で十キロ程度体重が減ったらしい)や、サイクリングの楽しさなどが小ネタとともに綴られている。佐渡でのクマバチの話、伸びきったラーメンの話、穏やかな自然の話、自転車じゃなくても行ってみたくなる。
最近、私も似非MTBで通勤しています。が、自転車は車道の左車線を走るべきなんだって、知らなかったよ。思いっきり歩道を走ってましたがな。
杜の都仙台、自動車のマナーは最悪だと言われております。私も免許を持っていますし、運転もします。正直申し上げて、ここを自転車で車道を走る気にはなれません。特に市街地は。走るとすれば‥‥確かにヘルメットは必要かも。
あと、興味深かったのは、ママチャリは日本特有のものだということ。海外では自転車に求める性能が格段に高くて、それも十年は乗るつもりで、軽くて錆びにくくスピードの出るものをちゃんと吟味して、それなりの値段で(安いもので五、六万円程度)購入するものなんだそうな。ひきかえ、ママチャリのように長距離は乗れない(体勢からしてケツが痛くなる)、スピードが出せずすぐに止まれるという機能に特化したのは、かなりヘンテコなシロモノらしい。
驚いたのは、自転車で片道十五〜二十キロ移動するのは普通、という感覚。私の通勤は片道八キロくらいなので、軽く倍は走るわけだ。半径二十キロって、結構ありますわよ、奥様。そう考えると確かに、自転車だけで通勤・通学・生活・余暇まで殆どの移動を網羅できるだろうなァ。
うぅん、それだけ走れる性能のいい自転車が、欲しくなってきたぞ‥‥。