読了:「穴 HOLES」(ルイス・サッカー)

穴  HOLES (講談社文庫)

穴 HOLES (講談社文庫)

移動時間に読むために買ってみた。往きだけで読み終わったので実家に置いてきた。
スニーカーを盗んだと無実の罪を着せられたスタンリーは、人格形成のためにグリーンレイクキャンプで一年半毎日穴を掘らされることになった。身体は大きいが気が弱くて学校では自分より小さな同級生にいじめられ、やることなすことついてない。それもこれも豚泥棒のひいひいじいちゃんのせいだ。
現在と昔の話が少しずつ交互に語られて、徐々に絵が見えてくる。小道具がきれいに回収されてて読後感はすっきり! まあね、呪いなんて信じられないものだしさ、ただ想像してみてよ、とエピソードを積み重ねていくのが楽しい。
そうだよ、愛だ呪いだ神だ陰謀だと方向性を押し付けられると辟易するけど、こうさらっとこんな話もあってさとくると、バカバカしくてもなぁんかそれでもいいんじゃないかと思えるものだね。
もともと児童書で内容は軽いお伽噺&少年の成長物語で勧善懲悪といえば勧善懲悪だが、ただの悪人も薄っぺらな善人も出てこない。過剰な汗臭さも押し付けがましさも甘酸っぱさもなくて、妙にほっとする雰囲気だった。
ところで私は生の玉葱の辛いのが苦手で、食べると胃にくるのだ。黄斑とかげ避けは使えないな‥‥。