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いわゆるホッチキスの芯外しのことである。
事務的単純作業というのは何処にでもあるもので、中でも小さなことだが伝票やなんかの肩に止められたステープラーをとるというのは実に面倒臭い。
小さな硬い針金がクニッと曲がっていじましく紙片にしがみついているところを、エイヤッと無理矢理引っ剥がすと、紙に穴が開いてささくれだつ。そんな紙片を重ねるとそこだけ盛り上がってしまったりする。美しくない。
美しく針を抜こうとすると、紙束の裏を返して針金の曲がったところを片方ずつ真っ直ぐに直してやらねばならない。これがまた母体の紙片がペラペラで薄かったりなんかすると、ちょっと力を入れると折れ曲がったり破けたりする。
そんな苛々を画期的な創意と工夫で一挙に解消してくれるのが、このリムーバーである。考えた人、エライ。私は文房具というものをおしなべて愛好しているが、このリムーバーと普通のカッターは大のお気に入りである。
しかし嬉々としてプラスチック製のを買ったはいいが、まだいくらも使っていないのにちょっと分厚い紙束に挑んだら、プラ部分がアッサリ折れやがった。
ステン製のが欲しい。
