読了:狐笛のかなた(上橋菜穂子)

狐笛のかなた (新潮文庫)

狐笛のかなた (新潮文庫)

寒い雨の日にふと二時間ばかり時間を潰さなくてはならない羽目になり、ドトールで読もうとそこにあった古本屋で物色した。よく見る著者名だな、というのが選んだ理由だったけれど、『精霊の守り人』の人だったのか。
ジャンル的には児童文学になるらしく、三十半ばのオバである私には若干喰い足りない気味は否めないのだけど、鮮烈な清々しさがあった。派手さがなくわりと堅実に淡々と進んでいく物語は、動きの少ないしかしセンスのいい影絵のようなアニメを見ている心地になる。