映画:881 歌え! パパイヤ(監督:ロイストン・タン)

シンガポール映画である。日本のお盆に当たる陰暦の七月、かの地では地上に戻ってきた霊を慰めるために歌台を設置し、歌舞が繰り広げられる。もとは伝統芸をやっていたのが、近年は歌謡ショーのようになっている、と作中で言っていた。
あまり見る人もいなさそうなのでネタバレしてしまうことにする。
歌台を舞台に繰り広げられるミュージカルであり、女神の力を借りて人気者にのし上がる魔法物語であり、金持ちで美人のドリアン・シスターズとの対決物語であり、家族との絆を取り戻そうとするヒューマンドラマであり、シスターズの片方が癌に侵されているという難病ものであり、面倒を見てくれるおにいちゃんとの純愛物語‥‥の部分は微妙に失敗していた気がするが、とにかく盛りだくさんであった。
宝塚か小林幸子のような豪華絢爛な衣装がくるくる変わって飽きさせない。歌ってる歌は「私の辛い人生 第1章」とかTHE虎舞竜かと思うような妙に暗い歌詞。歌台の女神はド派手で何がしたいのかよく判らんけど魔法を授けてくれたりする。
なんちゅーか、本中華。と呟きたくなるが、最後のオチで不覚にも泣いた。そういうオチか! 最後にホラーまで持ってきたか!
なんでもあり。伸び盛りの勢いのある地域は違うな。