映画:レッドクリフ Part1(監督:ジョン・ウー)


赤壁の戦いを前後編に分けて作るということで、今回は前編の公開である。
やっぱり三国志は燃えるね! 赤壁の戦いとは三国志におけるハイライトのひとつで、前半部分のキモである。魏の曹操、呉の孫権、蜀の劉備の三つの国で三国志諸葛孔明いうところの天下三分の計である。とにかく時系列的に長い話なので、主な登場人物もパラパラと存亡を繰り返すのだが、ここではわりと名だたる将軍が揃い踏みで華やかだ。総大将の曹操がわざわざ出張ってきていて、実は敗走しっぱなしの劉備が珍しく勝つ場面でもある。
とにかく判りやすく合戦激戦布陣スタンドプレーの乱れ撃ち、めくるめく怒涛の展開でわくわくしっぱなしであった。個人的な趣味で難をいえば、阿斗を背負った趙雲子龍は大活躍だが、張飛の長坂橋での大喝は削られてた。ブーブー。張飛、雰囲気出てたのにぃ。関羽赤兎馬と青龍偃月刀も後から良く考えたらアレか、というほど華がない。直刃に見えたしな。あれじゃあプライドの高い美髯公のこと、ご満足はいただけまい‥‥。
しかし顔を見ただけで主な登場人物の見分けがつくという配役の素晴らしさは特筆モノだし、中村獅童の役は甘寧をモデルにした架空の人物だそうだが、海賊上がりのガラの悪さが良く似合ってた。とても素直に作られた三国志であったと思う。
関羽の得物である青龍偃月刀というのは、武器としては薙刀タイプで柄部分に青龍の装飾がついており、偃月=半月状の刃の重さは八十二斤あったとされている。当時の一斤は223gぐらいらしいので、1.8kgくらいあったわけだ。日本刀はだいたい700g〜1kgくらいが標準なので、相当重い。それが棒の先に付いているものをぶん回していた関羽は、一説によると身長2m以上の巨漢だったという。もっとも、そもそも『演義』には関羽張飛の身長は明記されてないという話もあったりするが。
ところで劉備はなんでいきなり逃げてんの、と訊かれたので、少し調べてみた。
ええと、簡単に言うと劉備曹操は最初は仲良しだった。でもなんだかんだあって敵対することになった。曹操が部長で劉備が課長クラスの幹部候補みたいな立場ね。
逃げ出した劉備を匿ってくれたのが劉表って荊州を支配してたひとで、新野に住むといいよと土地を貸してくれた。劉備はわりといい領主だったので、新野はだんだん栄えたし民は彼を慕った。曹操夏侯惇于禁の軍を派遣してきたときも、これを破った。
そのうちに劉表が死んで、そのあとを継いだ劉蒴は曹操に降伏してしまった。孔明は劉蒴をぬっころがして荊州を奪ってしまえと言ったんだが、劉備は世話になった一族にそんなひどいことは出来ないといって却下。仕方なく拠所を求めて南下することにしたんだが、そのときに荊州の人々が劉備についてきちゃった。
というのが超絶簡単なあらましである。たぶん。


三国志は三回くらいしか読んでないので、細かい流れをよく覚えていない。このあと小喬はどうなったんだっけ? 後半は来年四月の公開だそうなので、半年後のお楽しみである。