DVD:ルネッサンス(監督:クリスチャン・ヴォルクマン)

ルネッサンス [DVD]

ルネッサンス [DVD]

 モーション・キャプチャー技術を駆使したSFアクション・フィルムノワール。近未来のパリを舞台に、誘拐された女性天才科学者の行方を追う一人の警部が、やがて巨大な陰謀の渦に巻き込まれていくさまを、強烈なコントラストのモノクロによる斬新なヴィジュアルで描き出す。監督はフランスの新鋭クリスチャン・ヴォルクマン。2054年のパリ。医療関連の世界的複合企業アヴァロン社の女性研究者イローナが何者かに誘拐された。事件を任されたカラス警部は、さっそくイローナの足取りを追うと共にその身辺を洗い出し、次第に事件の背後に横たわる巨大な陰謀の存在を感じ取っていくのだったが…。

フランスのアニメなんだそうである。従来のアニメのマンガチックな絵柄とは違い、まるで実写を加工したのかと思わせる大人っぽいイラストのような美しい映像が延々続く。ごく一部を除いて全編が白黒なんだが、これが本当の意味でほぼ「白」と「黒」しか使っていない。つまり(ごく一部を除いて)「灰色」がないのでコントラストが極限まではっきりしているのだ。
舞台は未来で、立体的に交通網の発達した都市の遠景を見ると、しかしはっきりとパリだと判る。私もそうそう海外都市の景観に詳しいわけじゃないし、エッフェル塔凱旋門がこれ見よがしに描かれていたわけでもないシーン(他のシーンではエッフェル塔が美しい場面もある)で、見た瞬間に「あ、パリだ」と知れたのは何故だったんだろう。確かにクレジットも入ってるけど、絵だけでも判る。なんというか、イメージをものすごくうまく象徴的に伝えてくる技量なんだろうと思う。
シックなフィルムノワールで、ストーリーも実写の映画と遜色ない。ただ見ている間、目が離せずつい食い入るように画面を凝視し続けてしまうので疲れるというのが困りモノである。シン・シティも観るの疲れたっけなー、などと思い出したりした。
↓ 眼精疲労注意。