映画:ウェディングベルを鳴らせ!(監督:エミール・クストリッツァ)

山あいののどかな農村で祖父とふたり気ままな田舎暮らしをしている少年ツァーネ。ところが自分の死期を悟り、ツァーネの将来を案じた祖父は、彼に3つの約束事を与え、町へと送り出す。その約束とは、1.牛を売ってそのお金で聖ニコラスのイコンを買う、2.好きなお土産を買う、3.花嫁を見つけて連れ帰る、というもの。こうして都会にやって来たツァーネは、はじめて見る光景に驚きながらも、ほどなくして一人の美女ヤスナに出会い、一瞬にして恋に落ちる。そして、すぐさま祖父との約束を果たすべく、ヤスナに猛アタックを開始するツァーネだったが…。

タガの外れたノンストップ・ムービーであった。
監督は1992年、現セルビアベオグラード生まれだそうな。ブラスとジャズとロックを足して割らないような東欧のジプシー音楽のようで非なる軽快なBGMがとにかくブンチャッ! ズンチャッ! と鳴り響く。
村のじいちゃんは何故かからくりが得意で、大掛かりな仕掛けをそこら中に仕掛けているし、タイトルのウェディングベルも映画の中でこのじいちゃんが作ってしまう。田舎の牧歌的な土手の中腹にいきなり落とし穴。屋根が動いて中から対戦車砲。何でもアリである。そこへ巨乳でセクシーな学校の先生が押しかけ女房してきて、そのセクシー先生を見初めた文化スポーツ省の役人がこれまたしつこく言い寄ってきて、こうもり男は空を飛び、ギャングは工事物件を受注しようといろいろ工作する。借金まみれの保母さんはギャングの情婦にさせられ、その娘も売春宿で働かせようと魔の手が伸びる。少年はじいちゃんの親友を頼って町へ行ったが、じいちゃん親友はもう死んでてその孫のスキンヘッド兄弟と仲良くなる。スキンヘッド兄はマグナムを食べちゃって弟は至近距離から背中に銃弾くらっても防弾だから平気だもんね〜。
ああもう、書いててワケ判んなくなってきたが、ヤスナ役のマリヤ・ペトロニイェヴィッチが別嬪さんだということだけは間違いない。
ドタバタなんだが、いつまでも観ていたいような居心地のいい映画だった。とにかくハッピー、なにがあっても強引にめでたしめでたし! パワフルな寓話であった。