映画:三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船(監督:ポール・W・S・アンダーソン)


デュマの三銃士は読んだけども長大かつ人間関係が複雑でくるくる場面が変わるので、実は細かいことはよく憶えてない。映画になるに際し多少の人数調整があったり設定変更があるのは前述のような事情もあるし、当時と現代の倫理観の違いからだろうなという部分はあるものの、細かい人間関係は案外原作を踏襲していたので違和感はない。コンスタンスはかわいい顔してるけど年の離れた夫がいるんだよねー、などと心の中で補完しながらみると、楽しさ倍増である。
元が娯楽大衆小説であるし、荒唐無稽でも面白けりゃいいんじゃないのとはいうものの、飛行船の風船の中身は何かと見ていたら、どうやら熱気球なのだな。いくら荒唐無稽っていってもそんな大きな船が浮くんかい、と冷笑気味になったところで、甲板上で手回し連射銃をズガガガガ! ってアナタ、あれか、ダ・ヴィンチの多砲身マシンガンと装甲車を足して2で割っちゃった? ぶはっと噴き出してどうでもよくなってしまう。そんな感じで勢いとスピード感と絶妙なくすぐりのある楽しい映画であった。
ただエロジョゴビッチのサービスシーンが多すぎである。あまりにも不二子ちゃんしすぎ。そのぶんおされて三銃士+ダルタニャンのそれぞれの性格を生かした活躍はほぼ導入部だけに限定されていたし、機械モノも楽しかったけどもちと喰い足りなかった感はある。
決まり文句になっている「一人は皆のために、皆は一人のために」は原作では途中でダルタニャンが言うのだけど、映画では最初から銃士隊のモットーみたいに使われていたのは、イメージしやすいからなんだろうな。
しかし出会いがしらで三銃士がもう銃士隊員じゃないって、それじゃあ『三銃士』じゃないし、ダルタニャンは銃士になれてないんじゃ‥‥。こ、こまけーことはいいんだよ!