首都圏の電車はあちこちの路線が相互乗り入れしていて1本の電車が長い距離を走っているのが珍しくない。行先表示が土地勘のないところのものなので、どっち方向なのか見当識を失うことすらある。この電車はどこまで行くんだろう。ずいぶん遠くまで走るんだろうなぁ。仕事に疲れたときに、ふと終点まで乗ってみたらどうだろうと思ったのが事の始まりである。どれにしようか。急に群馬まで連れていかれてもいいけど困るかなぁ。上総一ノ宮って地名がかっこいいな。どこだろう。九十九里浜? よし、海を見に行こう。
横浜駅から終点まで乗って2時間10分、長いのでグリーン車である。仕事を頑張った私にこれくらいのご褒美をおくれよ。
千葉は土地が平らで空が広い。駅名の上総一ノ宮は玉前神社のことなのでお参りすることにした。
途中で買い食いした肉屋さんのコロッケが注文してから揚げるスタイルで、揚げたてサクサクの中に熱々の芋から肉の旨味がじゅわっ溢れだしてとても美味しかった。
社殿が黒いのが珍しいような。境内に入るとなんだかほんわりした優しい雰囲気の神社だった。
オシャレな無人駅である。東浪見って何て読むのかと思ったら三文字で「とらみ」というんだな。知らなきゃ読めない地名だ。
てくてく歩いて住宅街の一角にあるドライブインのような海丸さんでお昼にした。
ゴマとニンニクとごま油の香りが和風スパイシーで美味しかった。
さらにてくてく歩いて釣が崎海岸へ到達。
砂浜に石の鳥居がゆるぎなく建っている。この鳥居は祭事用のもので、先にお参りした玉前神社の玉依姫を中心とした、普段は分かれて住まう神様の一族がここで再会するのだそうな。
十二社祭りは、玉前神社の祭神である玉依姫が上陸した、と伝えられる太東崎に、その一族である神々が年に1度集まることに由来する、といわれています。大同2年(807)頃から始まったといわれ、神輿を担ぐ人々が裸に近い姿で波打ち際を走ることから「裸祭り」の名前で親しまれています。
九十九里浜の南端に上陸した古代の一族ってどんな状況だったんだろう。大昔のメインルートは日本海側という雑なイメージがあるけど、思いっきり太平洋側の外海だよなぁ。沿岸沿いに移動して広い平野に上がったのかなぁ。(妄想)
オリンピックのサーフィン競技の会場だったこともあり、すぐ近くまで車で入れてトイレやシャワーブースも近くにあった。ここで天の川が見られたらきれいだろうなぁ。
神社に詳しいわけではないのだが、海と鳥居の組み合わせはなかなか良いものだな。近年は出かける理由が動物・水族園館に寄りすぎており、もちろんこれからも行くけど違う景色も見てみたい。調べてみたらわりとあちこちにあるみたいなので、これからは海と鳥居を目指して出歩いてみようかな。