フェニキア

「フェ‥‥フェニキア解放旅団」とか言ってる夢を見た。テロリストの夢か?
ところでフェニキアって何だっけ? というわけで、調べてみた。

 古代の地中海において,ギリシア人に先立って植民・貿易活動で活躍した商業民族および彼らの拠点となったシリア海岸中・南部の総称。

フェニキアの土地と住民】地名としてのフェニキアは,通常,北方をオロンテス川,東方をレバノン山脈,南方をカルメル山,西方を地中海に囲まれた南北に細長い地域をさす。沃野は少ないが良港に恵まれたため,住民は多く海上に生活の資を求めた。またその港市は,背後のレバノン山脈で良質の杉を産するため,木材取引でも栄えた。このレバノン杉は船材として利用され,フェニキア人自身優れた造船術・航海術で有名であった。このほか,フェニキアは貝を原料とする緋色染料を特産とし,各都市の織物染色工場では緋染毛織を独占的に経営した。フェニキアの名称の由来も,こうした自然的経済的条件からさまざまに解釈される。一説では,ギリシア語で“棕櫚の地”をさすとも,商人のまとう外套の緋色をさすともいわれ,またエジプト語で“船大工”をさすともいわれる。

 フェニキア人は,アラム人やへブライ人とともにカナーン系のセム語族に属するが,その地理的条件から古来民族移動の経路となり,またメソポタミアとエジプトの中間に位置したため,つねに大国間の勢力角逐の場となって混血は著しく進んでいた。

フェニキア人の都市国家フェニキア人は多数の都市国家を建設したが,各都市には王がいて互いに対立し合い,民族が政治的に統一されたことは一度もなかった。その都市国家は大きく三つの群に分けることができる。すなわち,北部のウガリット(現ラス=シャムラ)を中心とする地域,中部のビブロス=ベリトス(現ベイルート)・シドン(サイダ)の地域,南部のティルステュロス)中心の地域である。このなかで最も早くから栄えたのがウガリットビブロスで,ビブロスはすでに前20世紀にエジプトと交渉をもっていた。前15〜13世紀には,両都市の指導下にフェニキア都市同盟を形成し,エジプト,メソポタミアクレタを結ぶ仲介貿易に活躍した。それは文化面にも反映され,特異な融合文化が形成されたことはウガリットの発掘で明らかになった。しかし,ミタンニ王国が滅び,バビロニア(カッシート朝)が衰えると,シリアの支配をめぐってヒッタイトとエジプトが激しく争い,フェニキア諸都市は没落した。ところが,前13世紀末のいわゆる“海の民”の侵入により,エジプト,ヒッタイトが弱体化すると,再びフェニキア都市が台頭し,シドンとティルスを中心にフェニキアの最盛期を迎えることになる。
http://www.tabiken.com/history/doc/P/P275R100.HTM

前二十世紀‥‥思ったより古い。神話の時代だ。完訳 イリアス完訳 イリアス」のあたりでないかい。貝の染物はティリアン・パープルで、これが高価だったことから、紫は高貴な色となった。フェニキアの語源ははっきりしない。フェニックスから来ているという説もある。
テロといえばイスラーム、単純な私はそう思う。地域的には近いが、この時代、まだそこはイスラム勢力圏ではない。ヘブライ語フェニキア人が教えた、という記述もある。
解放旅団というからには、なにか奪われたものを取り返すか、現政権の体制を覆すという意思がなければならないだろう‥‥ってことは、都市国家連合の「フェニキア」が歴史の波に飲まれた頃の、前九世紀かそこらへんかぁ。