記憶に残る本:「鳥類学者のファンタジア」(奥泉光)

読み終わってから、いつまでも覚えている本というのがある。すごく面白かったとか大好きだった話はもちろん記憶しているけど、そういうフェイバリット以外のもので、妙に後々まで思い出すような本のことだ。
読んだ当時は確かに面白く読んだけど、自分でもそんなに意識するほどではなくて、数ある本のうちの一冊だと思ってたのに。タイトルも著者名も忘れてしまったけど、心の一箇所にずっと引っ掛かっている。あれ、どの本だったっけ・・・・。
その中の一冊のタイトルと著者が、昨夜、判明した。

鳥類学者のファンタジア (集英社文庫)

鳥類学者のファンタジア (集英社文庫)

奥泉光? い、意外だ・・・・。


後から思い出すほど印象深い本って、奇妙な話が多い。単純に奇談の類でもあるけど、文章があまりすんなりスムーズじゃないとか、前後のつながりがおかしくないんだけどおかしいというような、なんか変だな、とどこかに引っ掛かりがあると、忘れられなくなるみたいだ。
この本もなんか奇妙な感じ。荒唐無稽なんだけど、淡々としていて、ひんやりとした感触で情熱的。気になるので、もう一度読んでみよう。