なしとげるということ

自分のできることを手を抜かず精一杯やる。
お金に換算したり、何かえられるものがあるから一生懸命やるのでなく、
自分が選んだ道だから、ただ目の前のできることを精一杯やる。
マサムネ工房 〜 日々精進

しばらく前から拝見させていただいていたブログ。家具修復の勉強をしに、イギリスは片田舎の学校へ行っているマサムネ氏が書かれている。
卒業式があったそうだ。氏自身はもう一年通われるようだが、引き続き陰ながら応援させていただきたい。今回のは読んでいて何故か涙が出そうになった。私のささくれ立った心の、微妙なところに引っかかったらしい。
私はこれ以上ないくらいの文系脳だが、今は理系の仕事についている。
何故なら、モノを作りたかったから。
私が就職した頃はバブルがはじけた直後で、職に関しては散々辛酸を舐めさせられた。
現在は一応設計の仕事をしているけれど、これが私の望んだ未来です、と胸を張って言える自信はない。ヘタレの私は転機の局面で踏ん切りをつけることもできなかったし、努力も自己管理も中途半端だ。
まだ、違うことをやりたがっている自分がいる。
胸が痛いけれど、そのときの状況や運で一旦諦めざるを得ないこともある。
それでも黙々とそれを目指していけるのか。
夢を追うのに成功するかどうかは関係ないというけれど、面倒を見てくれる人もなければ、失敗はおまんまの喰いあげに直結する。単純に死活問題だったりもするんだが、死んでもいい、どうなってもいい、と思えるだろうか。
画家田中一村は神童として成長し、長じて後に新しい境地を開こうとして画壇に見放された。奄美大島に渡り、働いて画材を買うだけのお金が貯まると仕事を辞めて絵を描いた。お金がなくなるとまた手間仕事をして、画材を買った。そんな生活を繰り返して奄美の自然を描き続けたが、生前はついに中央画壇に認められることはなかった。
一村の絵も大好きだが、その生き方が私の琴線に触れる。

田中一村作品集

田中一村作品集