考えても判らん

しかし人と人の仲というのはよく判らない。
まあ、初恋の季節はとうに過ぎているので、訳知り顔に一般論をぶつこともできるけれど、それは所詮フィクションであって実際のところ二人の仲は当人同士にしか窺い知ることができないものだ。それどころか本人にだって判らない。
犬も食わぬというように、とにかく理通りにはいかないし他人の助言など意味ないから、周りでやきもきしたり流れを理解しようとしたりすると、途中でほとほとバカらしくなる。
しょうがないんだよ。それが因縁というものだ。
何故かな、繋がってしまう糸があり、ふとした拍子に切れてしまうこともある。結ぶ努力をしたくなることもあるけれど、縁があれば繋がるし残念ながらなければ頑張っても離れていく。黙っていても逆らってもどうやってもある方向に流れていくこともあるんだ。
虚しくあがく前にやれることがあるでしょ。結果だけを求めても、得られるのはハリボテだけさ。
何かな、あるんだよ。形のない湿っぽいものが。輪郭のはっきりしないもやもやしたものが。手に入れられるモノでもなくて、夢の中での空の飛び方のように体得したつもりでもすぐに忘れてしまう曖昧なもの。
別に人生を掛けるほどのものでもないし、それが生きる意味だなんて言うつもりは露ほどもないけども。それが因縁と呼べるものなのかどうかも定かではないけれど。