今の今までモバイルとか音楽を携帯しようとか、そういうのは不必要な消費の最たるものだと思っていた。そんなん外でわざわざやるくらいなら家に帰るよ、ぐらいの気分で眺めていた。
それに今まで本も買わないようにしていたのに、私にとってはそれより優先順位の落ちる音楽CDなど購入する気運もなかった。ちょっといいな、と思う曲があってもどうせそんなに聴く暇もないし、と諦めてきた。
実際、今までの生活だとそういう習慣がなかったせいか暇がなかったのだ。本を読んでいるときは音が鳴っていると気に障るので聴けないし、それ以外は寝てるか家事をしていて動き回っているかパソコンで遊んでいるか。通勤も自転車で三十分、しかも似非MTBでとばしまくるから危なくて耳はふさげなかった。そういえば車通勤していた頃は、真夏の夜の夢をガンガン鳴らしてたこともあったな。
しかし今、通勤が片道二時間弱、うち三〜四十分は徒歩なので本も読めない。朝は電車が混んでいて場合によっては本も開けない。そうするとやっぱり音楽だ。耳できくものの出番。
なるほどねぇ、流行りものとは都市のものなのだな。
iPodなんてメモリも曲数に換算するともの凄くて、それも今までは”アホか”という感じだったけど、実はあればあっただけいいのかもしれないと思い直しかけている。だって、片道で普通のアルバムなら二枚聴けちゃうよ。そこを毎日往復してることを考えれば、たくさん入れておきたいのが人情ってものだ。まぁ、メモリを使いきるのは並大抵じゃなさそうだが。
いいなぁ、何かイヤホンで聴けるものが欲しいなぁ。ウチにもサンタのおじさんが来てくれないかなぁ。いやマジで。恩返しのお地蔵さんでもいいが、返される前に恩を売らなきゃならないしな。
