あしたのジョー

NHKBSであしたのジョーのアニメを一挙放送している。(参考
テレビ初放送は私が生まれる少し前だ。三十年以上前の番組なんて今とはテンポも違うし、結構退屈なのかなと思いきや、ところがどっこいであった。「立て! 立つんだジョー!!」「あしたはどっちだ?!」などの名台詞はもちろん知っていたけれど、いままでまともに見たことがなかったので、今回の放送でこんな話だったのかー、とフムフムいいながら見ている。ジョーと力石が少年院で出会ってたなんて知らんかった。
絵はあまり動かない。吹き替えの音もあまりよくない。絵と声がズレている。
だがしかし、動かない画面は紙芝居のような不思議な魅力がある。他の絵は止まっているのに降る雪だけが落ちてきたりするのが美しいし、パンチされたら容赦なく歪む顔、黒々とした描線はすごく迫力がある。特にテンポが遅いとも感じない。感じる暇もない。
台詞も音楽も格好良いのだ。特に「お綺麗なお嬢さん」を罵倒するくだりなんか、哲学的ですらある。アニメなのに。アニメだからか。それにしてもしかし、こんなヒーローでいいのかっつーほど、ジョーは酷いヤツだ。
おそるべし、日本のアニメ。底が深い。
次は「海のトリトン」が見たいなぁ。