読了:「砂漠の惑星」(スタニスワフ・レム)

レムである。つい買ってしまった。人物描写に力を入れることもなく淡々と進行していくのが、いっそ気持ちが良い。
陸地は砂漠だけの惑星に降り立った「無敵号」。その前にこの星へ調査に来た「コンドル号」は、原因不明で消息を絶っていた。ほどなくコンドル号は見つかるが、乗組員たちは不可解な状況を示して全滅していた。
そして見えない敵を探る攻防が始まる。
敵とはどんな存在なのか。どういう攻撃を仕掛けてくるのか。そもそもそれは敵なのか。
抑えた表現で、クライマックスへ向かってキリキリと糸を引き絞るように緊張が高まっていく。過剰な装飾がないから、余計に臨場感が伝わってくる。