我儘

もういいや。
私が求めて私がやってきたことだから、仕方ないのだ。それについて報酬を求めるのは空しいこととは知っている。
だけど報われない、いや、報われていたのか。自分のしたことは三割増し、他人の功績は三割減とはよくいうけれど、パラノイア的にどんどん欲望が大きくなって、現実に与えられるものに満足し切れなくなっただけかもしれない。
握っていた手を放して、今までしてきたことも一緒に捨てて、これからの希望も共に。
しかしそのすべてが実は私の妄想であったとしたら、私にとって生きているというのはどういうことなんだろう。
事実の上に乗せられた妄執。微妙に都合よく歪んで見える視界。


でも私がやってきたことだから、私が引き受けるのだ。
私が勝手にやったこと、私の責任、私が。
能動的に動くこと。
外になんか出たくないのに。
意思を持って働きかけること。
ひとりでいたいのに。
矢面に立つこと。
逃げるより踏ん張ったほうが楽だと知っていたから。
餌をとってくるのも人間関係も、ぐずぐずするより積極的にいったほうが実は労力が少ないからそうしてきたけど、今はもうずっと眠っていたい。凪いだ池の水のように。


我儘だと知っているしどうしようもないし叶えられないと判っているけど、もう何も求められたくないし動きたくない。言質を取ったり取られたり、政治的なことはどうでもいい。
搾り滓がスポンジのようで、乱暴に扱われたら千切れとぶくらい水分を奪われてスカスカになった空隙を浸したい。ただひたひたと。