韓国屋台赤いとんがらし

横浜は福富町公園向かいの赤いテントが異様な光景である。

テーブルの天板も取り皿も箸もステンレスという、気合の入った異国情緒であった。
まずはビールで刺身三種。センマイ、アキレス、レバー。

センマイはシャキシャキ、アキレスは食べやすく切った豚足といったところ。レバーも新鮮で甘かった。
韓国の腸詰、スンデ。

何が入っているのかよく判らないが、なんとなく内臓系のような気がする。しかし燻製ではなく臭みも少なく、お米や春雨かビーフンのようなものも入っていて、面白い食感だった。
このへんからマッコリに切り替えたが、注文すると店員さんがヤカンを持って駆けつけ、茶碗に注いでくれる。
そして青唐辛子の漬物。

そのものズバリ説明不要である。マッコリと辛味で変なスイッチが入り始める。
続いてケジャン。カニの塩辛である。

塩辛といってもそこは韓国料理、真っ赤である。ケは韓国語でカニのことでジャンは醤という漢字語を表すんだそうな。殻がついたままキムチまみれの一品を前にして数秒黙考する。これは‥‥やっぱり手掴みだよな‥‥。手指を真っ赤に染めつつ齧り付き、殻を歯で噛み砕いて中の身を吸い出すようにして食べる。カニはボイルもされていない生で、発酵しているためか肉がチュルっと柔らかくなっている。好き嫌いの分かれそうな食べ物ではあるがゲテモノ喰いの私は美味かった。
しかし手掴みでものを食べるというのは、妙な興奮をもたらす。マッコリと辛味と手掴みでテンションが更におかしな領域に入る。
しかしこのへんで最後の〆にニラチヂミ。

なんの変哲もないチヂミのようだが、これがなんだか凄く美味しかったのだ。先のマッコリと辛味と手掴みでおかしくなっていたので平常通りに判断できていたか自信はないのだが、小麦粉の甘さ、焼き加減、タレのしょっぱさが絶妙で感動モノである。これだけまた食べに来てもいいと思った。
かなり本格的な韓国料理店で面白かった。そういえばメニューに参鶏湯もあったっけ。今度食べてみよう。