誤解されること

昨日、異国の方に声を掛けられた。平和な国から出たことのない日本人のご多分に洩れず、私も異人種の方の見分けがあまりつかないのだが、たぶんプエルトリカンなのかなという感じの方だった。
バス停で『この行列は何番路線?』と聞かれたのだが、その後、私が持っていたボリス・ヴィアンの『うたかたの日々』を見て『ラブストーリーだ』と言われたのが「お、判ってんじゃん」と嬉しくなり、世間話をぽつぽつ交わした。『うたかたって何?』というので『泡』と答えておいた。そのうちに奥さんが農学系の大学院を一年で辞めたんだけど就職口がなくて困っている、どっかないかと言い出した。ええ〜、そんな優秀な人の職業斡旋を頼まれても私じゃ荷が勝ち過ぎるよ、と思いつつ大変ねぇ、なんて会話をしていたのだった。
漠然とアチラのほう(主にU.S.A)では、割とバス停やなんかで偶然隣り合った見ず知らずの人と普通に会話したりするらしいな。それを知らなかった若い頃は、いきなり話しかけてくる外国人の方が怖かった。昔からよく外国の方に声を掛けられる。それも大抵は南方系の方だ。
なんでかなー、というと、たぶん私の見た目がそっち系だからなんだな。純日本人としても違和感はない程度なんだろうが、たまーに初対面の方におずおずと『どっかの血が少し混ざってる?(意訳)』と質問されることもあったりするような顔なのだ。ちなみに子どもの頃はそれでいじめられた。あと『英語名はなに?』と訊かれることがあるので、やっぱり混ざっているように見えるんだと思う。
むやみに他人に声をかけちゃイケナイのがこの国の風土だけど、郷里を離れはるばる島国ニッポンに来られ奥ゆかしい異文化の中に長く滞在されていると、少し寂しくなることがあるのかもしれない。それで自分と似たような系統の顔立ちを見ると、おそらく無条件に嬉しくなってなんとなくこの人なら話しかけても大丈夫かも、と思われるのかもしれない。いや、まるっきり見掛け倒しなんで、日本語が話せる方限定でしかお相手できないんだけども。こういう機会が多い私は中学生英語くらいは話せたほうがいいのかなぁ、と思わなくもない。
そう思ってからは、外国の方の世間話には出来るだけ応じるようにしている。でも、どんだけ郷愁をかきたてられたにしても、電車の中でガン見する*1のは止めて欲しいと思う、今日この頃。いや、あの方たちは彫りが深いから目ヂカラが凄いんだよな。変に期待を煽ってすいません、似てるけど私は純日本人です‥‥。

*1:『同胞かも?!』(*゚∇゚)キラーン☆ とこちらの視線を捉えようとしてるんじゃないかと想像。