ベトナム焼酎 ネプ・モイ

こないだベトナム料理店に連れて行ってもらったんである。そこの店にベトナム焼酎ネプ・モイというのが置いてあり、飲んだことがないので早速試してみることにしたんである。アルコール度数は39.5°とちょい高めなので、ソーダ割りを頼んだ。
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口に入れるとふわっと穀物の甘さがひろがる。コレは何かに似てる似てる似てると思ったらアレだ、ソフトせんべいの塩抜き。同席の人たちにも味見してもらったが、『せんべい味』という私の主張に異論は出なかったのだった。
このネプ・モイというのは、もち米から作られるスピリッツなのだそうな。一般的にはナッツやアーモンドのような甘み、と表現されるようだ。銘柄によっても違うのかもしれないが、私が飲んだ限りではそのまんま穀物の甘さのような気がした。絶対せんべい味だって。もしくは生米を噛んだときのような香ばしさ。他にはこれといって癖はないので、ロックでも美味しそう。ベトナム料理とももちろんよく合う。
このネプ・モイ、ベトナム土産ではルア・モイと並んでポピュラーな銘柄なんだとか。うるち米から作られるルア・モイのほうが、どちらかというと庶民には馴染みのあるお酒らしい。
ただベトナムあたりでは『酒は自分たちで作るもの』という文化があるらしく、米を使って蒸留するのは同じでも、地方や家によって微妙に違う様々な製法でかもされているという。最近はハノイなどの都会では既に焼酎の人気はビールに取って代わられつつあるが、それまでは自家製の酒を屋台で売っていて、人々に親しく飲み継がれてきたんだそうな。
裏を返せば、ベトナム戦争後の混乱から何とか立ち直り、ふだんからビールが飲めるようになったのは、ここ十年ほどのこととか。戦争がなくなれば暮らしは楽になると思ったら、戦時中はソ連や中国から支援があったのもなくなってしまったし、戦争に勝つという共通の目的もなくなってしまい、国内はしばらく荒廃していたという。
ハノイホーチミンなどの都市部では屋台売りの酒は姿を消したが、田舎に行くとまだビアホイを量り売りしているところがあるらしい。ビアホイというのはビールよりもアルコール度数が低く、安価な原料で作られた発泡酒とのこと。近所の人がポリタンク持参でお店に買いに来て、でっかいビールタンクから注いでもらうという、ガソリンか灯油のような方式なんだという。面白いなぁ、ちょっと見てみたいな。