DVD:長靴を履いた猫(監督:矢吹公郎 他)

長靴をはいた猫 [DVD]

長靴をはいた猫 [DVD]

シャルル・ペローの原作をベースに井上ひさし山元護久による脚本となっている。ガンバの大冒険風味というのか、原作よりもハッタリの効いたハラハラ感5割り増しくらいのストーリーで滅法面白い。1969年公開と古いながらアニメも素晴らしく、さすが東映動画黄金時代の作品であった。
ところで私はルパン三世好きである。原点は小学低学年の頃にテレビで放送していた『新・ルパン三世』。赤いジャケットのアレである。のちに水色ジャケットのオリジナルと2ndも観たし、2時間スペシャル版もほとんど観た。そのうちで違和感を覚えるのは、やはり『カリオストロの城』である。荒っぽくて洒脱でちょっとエロいルパンシリーズの中で、あれだけが妙に異質だ。アニメとしての出来はとてもいいと思うのだが、ルパンとしてみるとちょっと、というわけでアンチ・カリオストロ派なんである。あと、うる星やつらでもアンチ・ビューティフル・ドリーマー派である。気難しくてすまん。
ところがこの『長靴を履いた猫』を観たら、なんとカリオストロとそっくりな場面がいくつもある。最後のシーンは猫の恩返しのエピローグと同じモチーフ。他にも数え切れないほどジブリのアレに似てるコレに似てるという場面がいくつも出てくる。東映動画黄金時代といえば、宮崎駿氏の原点とはよくいわれるが、本当に原点なんだなぁといやでも納得させられた。
だからカリオストロはああなったのか。それなら仕方ない。